T・REX。

ロック好きにはあえて説明する必要のないバンドですよね。

70年代の、デヴィッド・ボウィーなどとともに、グラムロックの代表というイメージ?
 
僕が彼らを知ったのは高校生の時で、当時の高校の同級生で、バンドメンバーのFというやつがきっかけでした。
彼には確か、年が離れた兄か姉がいて、早くからギターを弾いていたことから、ツェッペリンとかディープ・パープルなどに詳しく、その時、「おまえはリズムギターなんだから、マーク・ボランとか聴いてみなきゃダメだよ!」と言われ、それで聴いてみたのがきっかけでした。
 
今では好きなレッド・ツェッペリンは最初全然良さがわからず、ディープ・パープルは曲以前にギターが難しく苦手意識が出来てしまい、そんな中珍しくFが勧めてくれたサウンドでは、T・REXはわかりやすくて、元々60年代UKビート好きだった僕でも一発で気に入りました。
テレグラム・サム、20th センチュリー・ボーイなど、有名曲はもちろん、メタル・グルーとか、ジルバの恋とか、シャッフル系に特徴がある名曲が目白押しです!

 

ちなみに、グラムロックって言われる彼らですが、グラムロックって、ハ-ドロックとかカントリー、ブルースロックみたいな、それまでの名前からしてわかりやすい音楽的特徴みたいなのがないんです。
T・REXも、サウンド的には、ちょっとブギー系のギターが鳴っているPOPロックという感じでしょうか。
彼らの場合はそういう音よりも、メインフロントのマーク・ボランの歌い方なり、歌詞など世界観が、これまでにあまりなかった独特のもので、「T・REXは、もうT・REXというジャンル!」と誰かが言っていたけれど、それもまあわかるかなという感じです。

ハマるとこれだけになっちゃいそうな、何とも言葉では表しにくい、独特の不気味さ、怪しい魅力が雰囲気全体にあるんですよね。

 

とまあ、そんな彼らの、個人的に僕がお勧めしたい好きな作品を上げろと言えば、1972年の名盤と言われる?代表作「ザ・スライダー」もいいですが、そのひとつ前の「エレクトリック・ウォリアー」が僕は一番好きです。

そして僕が彼らのすべてのナンバーで一番好きな曲が「ロウ・ランプ」という曲。
ちなみにこの曲は、初期のベスト的アルバム「ボランブギー」の中にあります。

 

この「ロウ・ランプ」という曲、あまり知られてないんじゃないでしょうか?
でも、ほとんどの人が知ってると思われる、ゲット・イット・オンのシングルB面曲です。
なんだかよくわからない、儀式のような曲から、途中突然R&Rギターが心地よく走る、ストレートな曲がはじまります。
ブギー調の不気味なサウンドが多いT・REXにしては珍しい、シンプルなロックという感じで、でも歌や間奏はボランらしく、やや妖しい雰囲気が漂っている…
 

 

 

この曲、ギターでコピーしてみると、コードはGとDが基本で非常に誰でも作れそうな簡単な構成です。
(T・REXの曲自体が、そんなに難解なものではない。)
しかし、これだけのありがちな構成で、ああした独特の粘っこい、不気味な、彼だけのサウンドと雰囲気を作ってしまう。
プロのアーティストって言うなら、こうじゃないとと思わせられるくらい、マーク・ボランはやはり、オンリーワンな人です!!
 

 


↑T・REXの完全コピーバンド、T・REXTASYのライブバージョン。

完全再現みたいで面白いが、ややハードな演奏になっている気がする。

 

ちなみに、T・REXのこの妖しいトレードマーク?とも言える、不気味なコーラスは、60年代アメリカでヒットを飛ばした、ソフトなビートバンド「タートルズ」のエディー&フローだというからびっくり!
 
↓「タートルズの不滅の名曲、Happy Together」