前回のイギー・ポップに続いて、今日もパンクロックと言われているバンドを取り上げます。
パンクバンドと聞いて真っ先に浮かぶのはピストルズやクラッシュ、ダムドなどの、いわゆるロンドンパンクですが、それらよりも早い時期に、パンク的活動していたバンドがアメリカにはいました。
前回のイギーもそうだし、70年代半ばにはニューヨークパンクと言われたバンドたちがいます。
メジャーなところではラモーンズやブロンディー、パティスミス、トーキングヘッズ・・・、そのあたりが知られていますが、どのバンドも70年代後半のロンドンパンクとは雰囲気が違う。
ラモーンズはストレ-トなPOPパンクな傾向があるけれど、他の名前を挙げた人たちは、破壊的ではなくインテリというか、頭良さそうな雰囲気を漂わせた音楽をやっている。
そんなニューヨークパンク群のバンドの中で、僕は特に好きなバンドあって、それが、
Televisionだ!
テレビジョン、日本ではそれほど支持されている、人気のバンドとは言えない感じで、そこそこのマニア以外、聴いたという人は少なそうですが、でも彼らは、音や雰囲気だけで語ると、これが何でパンクなのかまるで分からないです。
とにかく、なんだかねじれているサウンドで、ラモーンズのような疾走感のある、爆発的な曲はほぼ皆無といっていい。
なので、ラモーンズやピストルズ、クラッシュを聞いて気に入った人が、そのノリで聴くと、「退屈だな・・・」と思うのではないでしょうか。
サウンド的にはパンクより後の、ニューウェーブに近いか?と思う。
そういえば昔、何かの本で、「テレビジョンはプログレに聞こえる」という評論家の評を読みました。
それを見て、「なるほど! 言いえて妙!」と感じました!
全体の空間的な感じと言い、エコー感と言い、確かにピンクフロイドの狂気などとも通じるものがある気がする・・・。
それに彼らはアメリカのバンドなのですが、大都市出身の、美術・芸術系インテリだからか、いわゆるアメリカ的泥臭さは皆無です。
(ヴォーカルのトム・ヴァーラインは、わたしと同じ、書店員の経歴があるとか…。)
テレヴィジョン/マーキー・ムーン
この独特のよじれたギターとリズム、癇癪みたいなボーカルがクセになります!