行方不明になった2歳児のニューは他人事ではなかった。我が二歳児の孫と重ねと、子供の生き抜く知恵への期待と不安、母親の胸のつぶれるような思い、孫を見送った祖父の思い、どれも痛いほど感じられ、私の心も痛かった。

『ままー」と泣き叫んでも誰もいない。山の中で一人でどんなに寂しいだろうか、お腹が空いてももちろん食べ物はない。水はコップもなく自分で飲めるだろうか。浅瀬に歩いて行って,溺れてしまわないだろうか。服が濡れて体熱を奪ってしまわないだろうか。おむつが気持ち悪いくて不快だろうな.虫は?動物は?悪い方にばかり考えてしまう。

まだ生まれて2年しかたっていない幼児。親とは一時も離れていられない。言葉だって母親とコミュニケイションはできたとしても、捜索隊の声掛けに口を閉ざしてしまうだろう。歩くのだってまだよちよち歩きで、よく転ぶはず。怪我はしてないだろうか。

でも、タオルにくるまれてボランティアのおじさんに抱っこされて出てきた。この映像に思わずほろりとした人が多かったはず。

又このおじさんが素晴らしい。頭に手ぬぐいをまいた気さくなおじさんだ。子供の心理を理解し、装備は万全、自分で用意し、おごらず、謙虚。やることをやり終えると、パッと鮮やかにその場所から消え、別の苦しんでいる人を助けにいく。月光仮面みたい。その上、ユーモアたっぷりの言動に、こんなさわやかな人が居たのに感動した。

昨日、スポーツクラブのジャグジーで、肩まで浸かっている初老のおじさんが、「ボランティアやるのが夢だけど、体力がないから、せいぜい少額だけど寄付するしか、私にできることはないね。あのおじさんは立派だ。素晴らしい」と絶賛していた。ボランティアをやりたいと思っている人は多いが、行動に移せる人はまだまだ少ない。

2歳児の子供は入院後、ママに抱っこされて元気な姿を見せてくれた。顔、頭に虫刺されのような跡がいっぱいあった。3日間、頑張った痛々しい勲章だ。心の強い子に育つに違いない。エライ。