友人のところに、イスラエルから来客があり、ランチ・パーティにお誘いを受けた。

久方ぶりにヘブライ語が聞けるのを楽しみに出かけた。

大学卒業まもなくの頃、イスラエルのキブツ(共同体)に一年間滞在していたが、もうはるか昔のこと。日常生活ではほぼ困らないほ程度のヘブライ語をしゃべったり、書いたりしていたが、もうほとんど忘れている。

「ボケル・トブ(お早う)」開口一番ヘブライ語でいく。十数人のイスラエルからの客人人はびっくり。そしてぺらぺらと早口でヘブライ語で質問攻め。やっぱり全くわからない。仕方なく英語で応じる。それでも私は満足。英語にちょこっと相槌程度のヘブライ語の会話は、結構楽しい。

彼らの早口の会話の中に身を置くと、青春真っ只中の自分に戻っていく。暑さよけに大きな樹の幹に寄りかかって、乾いた風に身を任せているみたい。一つ二つ、単語が浮き上がって聞こえる。ピックアップした単語を頼りに、彼らの話題を想像してみる。結構その想像通りの会話だったりして、楽しい。

初日はほぼ全部英語で、現在のイスラエル事情をうかがう。

二十年ほど前、娘を連れて1っか月間キブツを再訪したが、その時、私と同年輩の働き盛りがほとんどおらず、老人ばかり。若者は共同生活を嫌って,町に出てしまった。キブツ創設者の一人の知人は、近年中にキブツは無くなるか、老人ホームのようになるに違いないと寂しそうに言っていた。ところが近年、若者が返ってきているとか。私のいたキブツは、特に豊かで、繁栄しているとか。時の経過ともに、社会は大きくうねり、大変化の後に、また、元に戻りつつあるようだ。


同じことが自然にも言えた。昔、ガリラヤ湖pの北に、フラ湖という小さな湖があった。今はわからないが、私が学生時代の聖書には、地図にちゃんと描かれていた。かつて私が訪れたときは、葦の茂るところがあったが、湖は一滴の水もなくカラカラで,ひび割れしていた。マラリアの発生源で、入植したイスラエル人が、干拓し、マラリアを退治したと自慢していた所だ。

ところが自然保護の観点から、もとに戻そうということになり、現在はすっかり元の小さい湖に戻り、渡り鳥のサンクチュアリになっている由。鶴が100万羽も戻ってきたという。

時と環境はらせん状に変化しているのだろうか。私が再々度訪れる機会があるとすれば、始めて行った時に近くなっているのだろうか。