「元気そうですね」 博識のおじさんが、エアロビックを終えて汗だくだくの私に声をかけてきた。本当に久しぶりに汗を流して爽快。 このおじさん、もう80歳を越えているが、万年青年。女性がほとんどの昼間のスポーツクラブで、たった一人でも堂々と運動をし、色々な人に声を掛けてる。これが、若さを保つ秘訣か。彼はがんサバイバー。若い頃大腸がんを患っている。
 
「あなたの元気な姿をみるのはうれしいですよ」
「お陰様で」
「あなたもご存知でしょうが、00さんが亡くなったんですよね。スタジオでよく運動していたんですがね。」スポーツクラブでは、顔は馴染みでも、名札をつけているわけではないので、名前は分らないことがおおい。大体の年齢や特徴を訊き、あーあー、あの人かなと判断する。
 
00さんが誰であるのか全く想像できなかった。彼女は、乳癌が見つかったが、既に転移しており、つい最近他界したという。
「近年、乳癌の治癒率は上がっているのに、検診してなかったのかしら?」
「ここに来る人は健康に関心のある人だから、検診は当然していたでしょう。見つからなかったんでしょう。本当にかわいそうに。今でもスタジオから元気な姿で出てくるみたいですよ。」
 
検診しているから全く安心とはいえないのだ。結構見逃しの症例があるらしいし、進行性の場合、年一度の検診では、早期発見には間に合わない。自分で定期的に触診して発見するのが一番だが、それでも奥まった癌は手に触れないことがある。
 
全く癌は厄介な代物である。
 
それにしても私は、今のところ、本当にラッキーだったといえる。進行性の上、4年経った今も、再発はなく、元気に運動できているのだから。ドクターに感謝は勿論、私の周りに、アドバイスしてくれた人、心を支えてくれた人、背中を押してくれた人が多くいたことに感謝。