今、埼玉県立近代美術館で草間弥生展が行われている。
彼女のことを知ったのは、「たけしの誰でもピカソ」という番組。 奇抜な服を着て、目つきの異様さが印象的だった。大きなぎらぎらした目玉でにらまれたら、背筋がぞくっとしそう。 外国生活が長い所為か、言葉がはっきりしなかった。
既に80歳を越え、まだ勢力的に描きつづけている。とにかく作品には圧倒される。 画面いっぱい埋め尽くされるモチーフ、強烈な色、目が回りそう。凡人にはすべてが強烈。
彼女は若い頃から、他人がなんと思おうが、言おうが、まず行動に出る女性のようだ。そして社会から自分の存在を認めさせた。もっとも常人が持っていない感性を備えていたからだろうが。
彼女は自信家だ。ピカソを越える、地球で、いや宇宙で一番の芸術家だと、本気で言っている。自分の作品に陶酔しているのだ。
凡人には描けないモダンアートの世界だ。びっしりと飾ってある絵を1枚1枚見ていくと、私の頭が熱くなってきた。 彼女のパッションが乗り移ったか。 疲労感がある。
そして「魂の灯」という隔離された小さな部屋に設えたライトがランダムに下がっている光の作品で、一息ついた。壁は鏡、床には水が張られ、無数の光があるような。そして色がどんどん変わっていく。その光の中に私が1人いる。落ち着くのだ。都会の夜景の中にいる?エネルギッシュに活動している環境? 静かなもしかしたら死後の世界?宇宙の果て?瞬間瞬間に変わる世界に、なぜか心が和むのだ。孤独感はない。 やはり彼女は天才か?
疲れる美術展を出たとき、外の木々の緑や風が心地よかった。私にはこの自然の風景の方が居心地が良い。