あったかさみしい新機軸シングル『ハルカ』をリリース。進化するSCANDALに注目!
進化系ガールズバンドとして、国内外で存在感を増すSCANDAL。2011年第1弾シングル『Pride』のヒットも記憶に新しいいま、この季節にぴったりなニューシングル『ハルカ』をリリースする彼女たちの魅力を再検証!
バンドサウンドと歌が両立した『ハルカ』
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こういうガールズバンド待ってたんだよ! 最近のSCANDALは、ますますそんなバンドに成長していってくれている。制服姿をひとつのアイコンとする彼女たちは、一見アイドルと勘違いされがちなこともあるが、彼女たちが放つゴリっとしたロック感と独特ないなたい感触のサウンドは、正真正銘のロックンロールであり、本質は間違いなくロックバンドだと言い切れる。音楽性の高さに加え、エンタテインメント性の高いロックを届けてくれる彼女たちを見ていると、かつて一世を風靡(ふうび)したランナウェイズ(ジョーン・ジェットが在籍していたあまりにも有名なガールズバンドで、ガールズバンドの草分け的存在)を彷彿(ほうふつ)させる。ランナウェイズもデビュー当時の平均年齢が16才。彼女たちは1977年の初来日当時、キッスやレッド・ツェッペリンらと肩を並べたほどの飛ぶ鳥を落とす人気バンドであった。
まさに。SCANDALも結成当初の平均年齢は16才。最高のサウンドとガールズバンドならではの魅力を見せつけてくれたランナウェイズ。コルセットとガーターベルトというコスチュームがアイコンだったチェリー・カーリーともつながる部分を感じるのは私だけではないはず。キュートなだけじゃない。最高にカッコイイガールズバンド。それが SCANDALなのである。そんな彼女たちが結成5周年という節目の年に届けてくれるメジャー通算10枚目のシングル『ハルカ』は、せつなさのなかにどこかあたたかさが宿る旅立ちソング。バンドサウンドでありながら、歌に込められた“言葉”がしっかりと胸に届く1曲。この曲は、4月29日から公開予定の 3Dアニメーション映画「豆富小僧」の主題歌にもなっているが、4月という季節、新たな旅立ちをした人たちが、慣れない環境のなかでつまずいて立ち止まりそうになったときや、ふと楽しかった思い出を振り返るときのBGMとして流してもらうと、よりいっそう心にくるだろう。
ガールズバンドならではの歌詞も進化中!
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2曲目に届けられる『サティスファクション』は一変してご機嫌ロック! メロとワードとリズムのハマり具合が最高にマッチした、SCANDALお得意のノリがたまらない。リレーションで変わる声色のテンポ感やベースのスラップ、思わず体を揺らしてしまうドラムのフレーズや、透き通ったギターとソロでみせるうなるギターなど、あらゆるか所に“ご機嫌ポイント”がちりばめられた元気曲に、必ず背中を押してもらえるはず。そして3曲目。キタッ! 待ってましたのゴリゴリロック。イントロのひずんだギターの音色からビビッときちゃうのが、ギターのMAMIが作詞作曲を手がけた『Want you』。悩ましげなメロディーに“生涯あなただけよ”と絡められる熱い歌詞。MAMIに“生涯あなただけ”と言わしめたヤツって!? その相手とはギター。ギターへの熱いラブコールは、ちょっぴりエロを感じる艶っぽさが存在する。まさにこの感じこそ、ガールズロックの特権でもあると思うのだ。しかし、 “生涯あなただけよ”と言っておきながら、最後には“目移りしちゃうかもね”と小悪魔的なことを言ってのける。そこがいい。“この感じ”を行き過ぎることなく個性に変えているあたりが彼女たちの強みでもある。この怪しげなサウンドに一撃される人も多いのでは? 今度のSCANDALも相当ヤバい。