◆妊娠36、38週健診
36週に入り切迫早産の恐れもなくなったため退院。安静も解除となり、逆に適度に動くよう指示される。
36週の健診時点で胎児は推定3000gと大きめ。(妊娠初期から大きめではあったが、切迫早産で安静にしていたことで成長が加速してしまったようだ。)
私自身の希望により、38週4日で計画無痛分娩をすることに。

■分娩前日(38週3日)
◆14:00入院
病室に荷物を置いた後、すぐに着替え(病衣、産褥ショーツ、ナプキン)るよう指示される。陣痛分娩室にて、点滴2本を打ち始める。(内容は、電解質や水分など?)
また同時に、血圧、心電図、NST(胎児の心拍数確認)30分実施。

◆14:50医師による硬膜外カテーテル留置
左向きで背中を丸めた体制になり、麻酔をした上でカテーテルを入れる。
少しくすぐったくて動いてしまうが、医師曰く「硬膜外麻酔はカテーテルを正しい場所に入れることが大切なので、絶対に動かないように」とのこと。
動かないように注意する。
その後、背骨の隙間にチクッとした痛み(眉毛を抜く程度)を感じる。
細いカテーテルを入れテープで固定。

その後、内診で子宮口の開きを確認。1~2cm開いた状態とのこと。
バルーン(ミニメトロ。棒状の部分と風船状の部分からなり、風船部分を子宮内に留置し生理食塩水を注入して膨らませ、重みで子宮口を開く道具)を挿入終了後、医師に「内診の方が痛かったでしょ?」と言われるが、たしかに……という感じ。

◆16:00病室へ戻る
バルーンを挿入したあたりに違和感。歩くと重苦しく、じんわりと痛む。

◆18:00病室にて夕食(常食)を食べる

◆19:00トイレへ行く
バルーンからの出血確認。
かなり痛い。少し後悔する。

◆20:30~21:00
陣痛分娩室にてNST実施。
後半の10分、胎児のしゃっくりでお腹がピクピクと動くのが印象的だった。
いつのまにか、バルーンの違和感が消えている。

◆21:00消灯
翌日は06:30から点滴とのことで、荷物の整理などをして少しテレビを見て、早めに眠る。個人クリニックなので、テレビや冷蔵庫、無線LANが自由に使える点が良かった。また、4人部屋だがそれぞれのスペースがパーテーションとカーテンで区切られていて、プライバシーが守られる点も心地良かった。

■分娩当日(38週4日)
◆06:30
分娩室(このクリニックは陣痛分娩室、陣痛室、分娩室が並んでいて、作りはだいたい同じ。ベッドのような分娩台やテレビがある)へ案内される。
点滴開始(最初は電解質)。

◆07:05 
バルーンを抜去。すでに抜けていて、子宮口の手前にあった模様。
助産師による内診。子宮口6センチ。赤ちゃんも下りてきているとのこと。
陣痛促進剤(オキシトシン5A)開始。最初は1時間あたり10ミリ。
助産師曰く、徐々にお腹が張るような感覚が出てくるとのこと。

◆07:30
促進剤を1時間あたり20ミリに上げる。
トイレへ行く。
時々張りを感じるが、まだ数値は低い。

◆08:00
促進剤を30ミリに上げる。

◆09:05
促進剤を40ミリに上げる。
トイレへ行く。

◆09:30
促進剤を50ミリに上げる。
時々お腹に張りを感じる。

◆10:00
トイレへ行く。
促進剤を60ミリに上げる。
助産師による内診。破水させようとするが、まだ張りが強くないため、止める。

◆10:30
促進剤を70ミリに上げる。
夫から連絡があり、もうすぐクリニックへ到着することを助産師に伝える。
腰が痛む。腹部にも生理痛のような痛みを感じる。

◆11:00
促進剤を80ミリに上げる。

◆11:30
促進剤を90ミリに上げる。

◆12:00
促進剤を100ミリに上げる。

◆12:30
促進剤を110ミリに上げる。

◆12:45
心電図、血圧計を取り付ける。
硬膜外麻酔を開始。
麻酔薬は5分ごとに3回に分けて入れ、2回目くらいから効き始めるとのこと。

◆13:00
促進剤を120ミリ(最大量)に上げる。

◆13:07
助産師による内診。
人工的に破水させる。麻酔が効いていたので痛みなし。
硬膜外麻酔を使っていて良かった……と実感。

◆13:40頃
突然、目まいがして体が冷え、気分が悪くなる。
血圧を測定すると80ほど。硬膜外麻酔をこれまでの6単位から5単位に下げる。
その後、徐々にお腹の張りが増え、破水した水が漏れてくる。

◆14:45
助産師による内診。
子宮口8センチ。陣痛はNSTで3分間隔。だんだん強くなる。
ミヤ〇屋などのワイドショーを見つつ、夫と世間話をして気を紛らわせる。

◆16:00
子宮口9センチ。陣痛が強まる。

◆16:30
NSTのモニターで陣痛が100(最大値)まで上がるとさすがに痛い。冷や汗をかくような感じ。
子宮口9.5センチ。助産師による内診で刺激しつつ、何度かいきんでみる。

◆17:45
子宮口9.5センチ(ほぼ全開大)。
だが、胎児が下りて来ておらず、生めない状態であると診断される。
もしかしたら、胎児の頭が母体の骨盤より大きいのが原因であるかもしれないとのこと(児頭骨盤不均衡)。
30分様子を見て、状況が変わらなければ帝王切開を検討ということに。

◆18:20
外来が終わった医師二人と、日勤から引き継いだ夜勤の助産師による内診。
和やかに談笑しながら順番に手を突っ込まれて、子宮口の開き具合と赤ちゃんの頭の下り具合を確認される。なんだかシュールだった……。
子宮口はほぼ全開で陣痛も1分間隔だが、相変わらず胎児が下りて来ていないとのこと。これ以上時間をかけても状況は変わらず、かえって胎児の心拍が落ちたりといった影響があるとのことで、緊急帝王切開に切り替える。
「帝王切開にすれば、20分くらいで生まれます。手術は40分くらいで終わります」との医師の言葉に、二つ返事でお願いをする。
慌ただしく準備が始まり、ストレッチャーで隣りの手術室に運ばれる。
正直、陣痛がかなり強まっていたので、早く切ってくれ……という気持ちでいっぱいだった。


■所感
陣痛促進剤を約12時間、硬膜外麻酔を5時間半使っての計画無痛分娩は、やはり疲れた。陣痛促進剤は、当初あまり効果が感じられず、投与量MAXになってやっと効いてきたように思う。初産であることも関係しているのかもしれない。

硬膜外麻酔は、歯科で使う局所麻酔のような使用感だった。下半身が痺れたような感覚で、痛みが緩和された。副作用として、血圧が下がって目まいを起こしたり、寒気を感じたりはした。

前日処置のバルーン(ミニメトロ)については、留置してから数時間は重い痛みが続き、また出血もあったため少し辛かった。
ただ、もともと切迫早産で入院などもしていて子宮口が開きやすい体質だったため、5時間後には完全に痛みが消え、翌朝には子宮口6センチまで開いていた。個人差はあるが、そんなに恐れるものでもないと思う。

計画無痛分娩については、陣痛の緩和がクローズアップされることが多いと思うが、私は内診の痛みをほとんど感じずに済んだのがメリットだった。
分娩が始まると、助産師が子宮口の開きを確認するため、頻繁に容赦なく手を突っ込んでくるし、他にも人工破水などの手荒な処置が多い。
麻酔なしの陣痛の最中にこういった処置をされるのは、なかなか辛いのではないか……。
また無事に経膣で産めたケースでは、会陰切開や縫合、産処置後の痛みを感じずに済むのもメリットだと思う。

胎児が大きめなのは妊娠初期から分かっていてことで、帝王切開の可能性も頭の隅にはあった。予定日より少し早めの38週で計画無痛分娩にトライし、頑張って諦めがついてから帝王切開へ移行できたのは本意だった。また、胎児の心拍が落ちたりといったトラブルが起きる前に手術出来たのも幸運だった。子宮口全開、陣痛1分間隔の状態になってから、自分で帝王切開を決断するだけの冷静さを保てた点はとても良かった。

ちなみに、計画無痛分娩の費用は+8万円だが、私は帝王切開になってしまったため、請求額は普通分娩+11万円ほどだった。