ドーナツの穴 | 「ハンブルグの黒い霧」は師匠の技

ドーナツの穴

今『ドーナツの穴だけ残して食べる方法』(大阪大学ショセキカプロジェクト / 編)を読んでいる。
この「ドーナツの穴だけ残して食べる方法」というのは、数年前にネット上で流行っていたらしい。
(ただし文言は必ずしも一致しているわけではない。)
多くの人は「ドーナツの穴だけ残して食べる?意味分からんし」となるだろうが、この本には多くの研究者がそれぞれの専門分野で方法を探ろうとしている。
読んでいても理解不能な部分は多数出てきてしまうが、それぞれが真面目に、時にはふざけている風に、問題解決へと誘ってくれる。


実際に穴だけ残して食べられるのか。
自分としては無理だと思うし、ある意味可能とも思える。
無い知恵を振り絞って考えてみた。


まずは「無理」という考え方。
以前「穴とは何なのか」と考えたことがあった。
今回のドーナツで考えると「◎」の最も中心にある◯の中のことだ。
「ドーナツの穴」というからにはそれがドーナツの一部でなくてはいけないと思う。
しかしそこには空間があるだけで、それがドーナツなのかという疑問が浮かぶ。
たとえば、ドーナツ状の土地を所有していたとしよう。
その中心にある穴(敷地)は「私の土地の穴」だろうか。
いや、そのはずがない。
それは他者が所有している敷地であって、私の土地ではないのだ。
そもそも他人の土地を「穴」などと呼ぶのは失礼だし、その失礼を承知で表現したとしても「私の土地に囲まれてできた穴」であり、他人の土地であることに変わりはない。
ドーナツの話に戻せば、穴はドーナツではないので、残すとかそういう話ではない。
だから「無理」という結論にした。


もうひとつの「ある意味可能」という考え方。
今から発表しますので、耳の穴をかっぽじって聞いてください。
はい、まずは行動。
耳の穴をかっぽじりましたか?
では始めましょう。
本当にかっぽじったのなら、穴(空間)に指などを入れて耳の表面(皮膚)をカキカキしたはず。
他にも「あー、ケツの穴がムズムズするわー」と思うときは、穴(空間)ではなく、身体のほうがムズムズしているはず。
ということは、穴を「空間のみ」と考えていない。
だとするなら、ドーナツの内側を限りなく薄い状態にもっていけば穴だけ残すことも可能ではないだろうか。


というのでいかがでしょうか。