心の継ぎ接ぎ | どすこい日和

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主に記録用

初めて絵を描いた時の記憶はないので、きっと物心つくかつかないかの頃なのでしょう。

はっきりと憶えているのは、小学5年生の頃にアニメの再放送で「幽遊白書」を見て原作漫画を集めて模写を始めたことが今に繋がっているということです。

 

中学時代はひたすら絵を描き、高校に入ってからは部活やバイトで絵を描く時間が減りました。高校3年の秋に心を壊し、笑えるほど回復するまでは絵を描いた憶えはありません。

 

21歳頃だったかと思うのですが、ふとパソコンのペイントソフトをいじって数年ぶりに絵を描きました。ブランクがあって下手になっているうえ、マウスでの描画に唸っていたような気がします。

でも、「楽しい」という気持ちを思い出し、また描きたいと板タブレットを買いに走りました。

偶然見つけた「手書きブログ」というものを眺めていて触発されたのもあるかもしれません。とにかく描きたかったのです。

 

もしかしたら、自分を表現できる何かが欲しかったのかもしれません。

自分の存在意義がわからなくなって苦しんでいることは、今現在もそう変わりありません。度合いが変化しただけのことで。

自分は確かにここに在るのだと主張したくて仕方なかったのかもしれない、と今は思います。

 

外に出ることは恐ろしく思っていました。

人は私のことなど見えないかのように通り過ぎていくから。

家に閉じこもり、絵を描いて、わずかな閲覧数を確認して安心していました。

やがて手書きブログでやり取りする人数が増えて、閲覧数よりも描くこと自体が、そして相手とのやり取り自体が楽しくなっていきました。

 

発することがやっとだった私の小さな小さな声は、絵を通して誰かに届いていました。

私の場合、絵を描くことで心を継ぎ接ぐことができたのだと思います。

そして継ぎ接ぎはまだ終わらない。

私はこれからも絵を描き続けていくのでしょう。

 

 

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