TIMELESS MELODY / Saudade
彼女はそこに
時 を止められたまま
閉じ込められてしまって
孤独で一人
待っている アノヒトを
季節 が絶え間なく 時を刻んでいっても
大空 がどんなに くるくるとまわっても
想い続ける アノヒトを
危うくて 今にも消えそうでも
決して消えない 小さなロウソクのトモシビ
いつまでも ひとり
誰にも理解されない
誰にも理解されたくないサウダーデ
止まってしまった 凍てついた時間
恋焦がれたまま
シベリアの厳冬の中
強風が吹き荒れて、
波頭高く 断崖に 白い華を散らせても
絶壁の頂上
凛々しい姿で立っている
一輪の花が咲くのを見るだろう
昼は ひまわりのような太陽 を見上げて
夜は 燦然たる北斗十字星 に想いを馳せて
今日も彼女はただ独り
アノヒトの
船の帰りを寂しげに待っているのです。
止まってしまったトキをこえて


