今はオーディオ関係の機器というと、Hard off等でジャンク品のプレーヤーかレコーダーを
買うことしかしていませんね。修理する楽しみと、機器の設計上の問題点を見つけることに
喜びを感じています。
BDP-320の内部写真:上がFront側向かって左がMain基板
BDP-320というと、持っているBDP-120の上位機種でした。BD初期の製品となります。
普通のBD Playerで、DVD-AudioやSACDは再生できません。
機器の状態は、再生はできるが、コンポーネントの映像が出ない、HDMIで音声が出ない、
リモコンなしというジャンク品で、税別\1kで購入しました。
設定を調べてみると、下の方に出力先の設定があり、設定された出力にだけ出力される
という仕様(コンポジットだけは常に出ているよう)であることが判りました。おかしな仕様
ですが故障ではなかったです。しかし、本当の問題は別にありました。それは、ほぼBDが
再生できないという問題です。再生できるBDは毎回再生できますが、再生できないBDの
方が多いです。これは問題です。持ち主が手放した理由はこれでしょう。
CDやDVDは再生できます。
Main基板:左側がFront側。DSP用のヒートシンクを外して撮影
DSPは謎の"SKY"という名称で詳細は不明です。出力先を指定しなければならない困った仕様はこのDSPのせいでしょう。DriveはPC用と思われるSATAのBDV-104-AX(Pioneer)となっています。今でも入手は可能なようです。(Yahoo Shopで\8K:書き込みはできないと
思います。)
Audio DACはPCM1742で、これはDV610系と同じDACです。SPDIFはTOSのみで、
48KHzまでしか出力されません。HDMIは1080pまで対応しているようですが、
解像度の設定はできないようです。
さて、BDがほぼ再生できない原因を探ってみました。どうもDriveへの電源電圧が少し
低い(12Vが11.9V、5Vは4.95V)のが原因のようです。BDはレーザー用に10V程度の電圧が
必要で、12Vを切ると十分な出力が得られないかもしれません。例えばLGのBP-125は電源が
DC12Vなのですが、この12Vが12Vに達しないと電源がONしないようです。
電源回路を探っていくと、SW Regの出力は夫々12.9V,5.9Vとなっていて、その後段に
On/Off機能を持ったRegを通っています。このRegはLow Dropですが、1V程度は低下します。そのおかげで所定の電圧より少し低い電圧となっています。おかしな使い方ですね。このRegは単にSWとしてしか機能していません。それなら普通はTRで回路を組むでしょう。多分、Player全体のシステムを設計した人はTRでのOn/Off制御を想定していたと思います。それなら電圧低下は0.7V程度で0.2V程度のマージンがあります。これがあるべき構成でしょう。回路は小さい基盤を追加すれば修正できますが、完動品となってもSPDIFが48KHzまでなど魅力がないので予備機としてスタンバイしてもらいます。Jacopas回路の追加も予定していません。