BATTERYから誘われて行ったライブ


そこに書かれていたラインナップの一つに目が留まった。


ASHURA(長崎)


名前だけは知ってたが、曲などに関してはほぼ情報ゼロに等しい状態。


どんな人たちなんだろう?と思ってはいたが

正直ナメていた。


その一時間後、俺は決意を新たに

ZENのメンバーに辞意を伝える事になるのだから人生は分からない。



ライブが始まった。


なんといえばいいのか

近所の道路をチンタラ走ってたと思いきや、いきなり高速道路でフルスピードかまされた感じ。


いかん。


かっけぇ!


自らを「闘うV系」と称するに相応しくガタイがとにかくいいボーカルは、終始絶叫に近いボイスで文字通り、場を「圧倒」していた。


そのボーカルに負けない骨太なベースがまた激しくも心地いい。

ルックスと弾きっぷりがまたいい。

気がつくと彼のプレイに目を奪われていた。


そして何より

ステージングが鬼カッコいいじゃないか。


俺はけっこう後ろのPA辺りで観ていた


のだが


気がついたら最前列にいた。


その時の出演バンドには申し訳ないが、この日のライブはASHURAの圧勝だったように思う。


本当に「場を持って行った」格好だ。



でもなんだ。

ここですごく感じた。


「悔しい」


純粋に悔しかった。


別にライブでバンドの出来に優劣なんてつけるもんじゃないが、今日見たバンドで一番印象に残ったのは?と聞かれたら、迷わず彼らの名を挙げていたと思う。


他に出ていたバンドも決してポテンシャルとしては低くはないしむしろ高いのだが

いかんせんASHURAのモノが違いすぎた。


そして、ここまで地元バンドが完膚なきまでにやられてしまった(俺にはそう見えた。すみません)のを見て


「ヨソ(長崎)から来たバンドに地元でいいように暴れられては博多のメンツが立たんだろうが」

と思った。


いや、自分でも分かってるよ

小っ恥ずかしい表現である事は。


でも純粋にそう思った。



「ASHURAに太刀打ちできるバンド」


それまで漠然としていた俺の目指したいバンド像がここで輪郭を現した。


悔しかったが案外心地よかったのはそれがあったからだと思う。


そして猛烈に自分を恥じた。


やっすい友達感情でZENから離れる事を恐れ

本当に自分がやりたい事に対して100パーセントで立ち向かえない。


清々しいぐらいにどストレートなパフォーマンスを繰り広げるASHURAに比べて、俺なんてマジでうんこだ。


こんなんで彼らに勝負を挑むなんてよく言えたなこのうんこマン。


それから俺(うんこマン)はすぐに動いた。


ZENのメンバーに脱退意志を伝える。

新たに自分の理想のバンドを組みたい。

少々驚かれたが、引き留められる事はなかった。


カズポリにはこの時に言ったんだったかな?

そこはあんまり覚えてはいない。


「大丈夫なんか?」

みたいな事は言われたと思う。


完全に吹っ切れていたからそこはもう押し切った。


季節はもう春に差し掛かる頃。


BUgHYpERが産声を…


あげるにはまだ少しかかりますwww



次回【ありがとうZEN】