さて

hideバンドでのライブを無事終え

自分のバンド「ZEN」に専念すべく慌ただしい日々を送る。


実はこの頃、念願だったイベントへの出演を控えていた。


METAMO(メタモ)

である。


福岡のHR/HMバンド、BATTERYとScreaming Symphonyが中心となり開催されていたイベントで、一度観に行ってから、かなりな骨太サウンドがぶつかり合う内容に、自分も出たい!と思っていた。


割りかしハードロック寄りなバンドだったZENを組み、満を持しての参加となったわけだが


ここで俺はものすごい挫折を味わう事になる。



ライブ当日。

俺はとにかく気が立っていた。


出演バンドは申し分ない。

これ以上ない舞台は整ってる。

この中で爪痕を残そう。


いかんせんその気持ちが強すぎた。


ZENでの2回目のライブだったんだが

前に組んでたバンドのお客さんがたくさん来てくれていた。


ありがたい話なのだが、それがかえって自分を空回りさせたようだ。


とにかくお客さんノリが皆無。


他バンドではあれだけ盛り上がっていたのに、腕すら挙がっていない。


知らない曲だらけだろうしそれは仕方ないとして

人とはこんなに数分間じっとしていられるのかってぐらい微動だにしない。


コイツらあれか、ドリフのコントとかの背景の絵か?


そしてMCになるともう静寂に耐えられないぐらい反応がない。

たいがい空気読めないとか散々言われてきた俺ですらわかる。

ここでコマネチ!とかしようもんなら

むこう10年は思い出し泣きできるぐらいのダメージを受ける事は間違いない。


そっからどうやって終わったかは覚えていない。


ライブに至るまでめちゃくちゃ気を張っていた分、あまりの手応えのなさに言葉も出なかった。


福岡バンドマンならこの人の前では背筋が伸びるといわれる西本マスターが楽屋前にいらしたらしいのだがそれにも気づかず前を素通りしたぐらい、といえばこの時の俺の放心状態は分かってもらえるだろうか。


それぐらいもうヤバかった。



それから数日間は本当に人と話す気力さえなかったし、自分の反省点を挙げれば「全部」としか言えないぐらいやられていた。

ついぞ2ヶ月前まではhideバンドのベーシストが女性と知っただけで風で飛びそうなぐらい浮かれてた男がこの落ち込みようである。


そしてにわかに考え始めた。


「俺、このバンドに必要なんかな」


あ。


なんだ、今回のタイトル

【俺とバンド組まない?】

だったな。


ぜんぜんそこまで辿り着きませんでした。


BUgHYpERのJACKYにいつなるんだお前は。


そしていつ俺は食パンをくわえた少女と角でぶつかるってんだ。


次号こそ【続・俺とバンド組まない?】