足早に向かったDRUM SON


さぁ

ついに

ついに初対面である。


トトトッとメールを送る。

「会場着きましたよ(^^)」

少しでも印象を良くしようとする魂胆が丸見えの(^^)がやけに鼻につくがまぁいい。


そしてすぐに返信が来る

「もう会場前にいますよ」


えっ


いんの?


ライブ前のハコ付近はお客さんやらスタッフさんでけっこう賑やかな事になってる事が多い。


この中にいんのか?


どれだ


細身の

目つきが鋭い

元カレがヤンキーの


「あ、もしかして!?」

少し離れた所から不意に声をかけられる


そこに


細身…と言うと逆に「皮肉か?」とスゴまれそうな割りかし、こう、なんか、うん

愛嬌のあるふっくらとしておこう


目つき…というか顔つきが「柔和」を絵に描いたような優しい雰囲気っての?こう、うん

鋭くはないな。うん。


元カレ…知らん!



まぁその、なんだ

この1ヶ月近くの妄想を割と土俵際でうっちゃってくれた、その女性が俺の前でニッコニコしながら立っていた。


そしてこの人こそが、僕にとって大きすぎるバンド・BUgHYpERでベースを担当する事になる

「改めまして!『夜海(よみ)』です!」


というわけだ。


1ヶ月間の俺!

お疲れ様!!

楽しかったな!!!


とまぁ


なんだ


色々混乱してしまって頭の整理にすごくすごく時間がかかっていた

たぶん表情コントロールは絶対できてなかった

なんなら悪い表情をしていただろう

ヘボい。

あまりにヘボい。ヘボいぞJACKY。

※まだこの頃はJACKYではありません。


そんな時だ。


その夜海ちゃんからの一言

「あっちにカズポリさんがいますよ」


カズポリ…


そう


hideバンドを組む事になり、夜海ちゃんから言い渡されていた「ボーカルは『カズポリさん』といって…」という言葉を思い出した。


カズ「ポ」リ!?


名前にパ行付ける人って林屋ペーパー夫妻以外にいんのか


ふざけてる


この人絶対ふざけてる


少なくともビジュアル系アーティストで刹那に抱かれてる雰囲気出してる人ではないはずだ


そのふざけ方がどっちかが重要だ。


ふざけ倒してイラッとくるタイプか


ウィットに富んだ爆笑ではないがクスッとするようなタイプか


いずれにせよ


敬愛するhideさんをコピるならそれ相応の人であってほしい


勝手な願望が自分にはあった


そして結構楽しみにしていた


どんな人なんだろう?


「あそこにいる人です」

夜海ちゃんから促されるまま視線を送った先に…



次号【どうもカズポリです】