映画『チェンジリング』には世にも恐ろしい話が描かれている。
1928年のアメリカ、ロサンゼルスの話。
ある日突然9歳の少年が行方不明になる。
当時汚職にまみれていた警察は、そのイメージ挽回のために、
全く別の少年を行方不明の少年に仕立て上げ、母親のもとに返す。
これだけでも十分にひどい話であるが、
当然のことながら、帰ってきた息子が別人だと気付いた母親に対し、
警察は、さんざん人格攻撃を繰り返した揚句、
精神病院に強制入院させるいっためちゃくちゃな扱いをするのである。
アンジェリーナ・ジョリー演じる母親はその閉鎖病棟の中に
彼女と同じように警察に刃向ったがために入院させられた数人の正常な人間がいることを知る。
いやいやマジで怖い話だ。
日本にもこういう怖い話ってあるんだろうなと思う。
闇の組織の圧力で芸能生活を断たれてしまった北野誠とか。
(でもまこっちゃんは一年ぶりに仕事を再開したみたいでよかった!)
権力ってのは一人の市民を簡単に抹殺することができるんだろう。
そういやこの映画の中には、
正義の味方としてたびたび長老派教会の牧師が出てくる。
それをみると、アメリカにおいていかにキリスト教が大きな存在であるかが分かる。
日本にはあれほど強力な反権力の宗教団体は見当たらない。
日ごろアメリカのキリスト教原理主義にはいいイメージがなかったのだが、
この映画を観て、一ついい面もあることに気づかされた。