お正月にDVDを二本見たので、その感想とかいろいろ。


『パッセンジャーズ』

星二つ:★★☆☆☆


飛行機の墜落事故があり、奇跡的に生き残った数人がいた。

彼らは心に傷を負っており、アン・ハサウェイ演じる精神科医が

彼らのカウンセリングを担当する。

そのグループカウンセリングで奇妙な事実が明らかになる…。


てな感じの一見興味深い設定なのだが…


アン・ハサウェイのかわいらしさだけが救いの映画。

僕には、中盤にはすでにオチがわかってしまった。

それ以降はひたすら自分の読みが当たってるかどうかの確認作業。

ガルシア監督よ、もうちょっといい意味で裏切ってくれよ!!

アン・ハサウェイがかわいかったのと、

一応寝ることなく最後まで見れたので星二つってのが僕の評価。


『イントゥ・ザ・ワイルド』

星二つ:★★☆☆☆


裕福な家庭に育った聡明な若者がいた。

エモリー大学という一流の大学をかなり優秀な成績で卒業し、

将来を嘱望される若者だ。

両親は彼にハーバードの法科大学院にすすんでもらいたがっている。

でも彼は全てを投げ捨て放浪の旅に出る。


この話は美談なのか愚かな話なのか?

僕にはどう考えても愚かな話にしか見えなかった。


実はこういうタイプの若者は結構多い。

裕福な時代に生まれたがゆえに、裕福さは当たり前の世代であり、

それゆえ物質的豊かさ以上のものを追い求めようとする。

いわゆる「精神的な豊かさ」がそれなのだが、

それを外の世界に求めるか内なる世界に求めるかで

大きく二つのタイプに分かれる。


外の世界に求めるタイプは、この映画の主人公のように旅に出る。

外の世界には何か価値あるものがあると信じて疑わない。

内なる世界に求めるタイプは、精神世界を求め、宗教にハマったり、

オカルトにハマったり、オタクの世界にハマったりする。


僕には、この映画の主人公は両親を憎んでいて、

結局自分が死ぬことによって、彼らに復讐したとしか思えなかった。


主人公の少年は、自然の世界に耳を傾けることが大切だと主張した

ヘンリー・D・ソローから大きな影響を受けているが、

ソローは自分の内なる世界を知るために自然の世界に入ったのだ。

最終的に「豊かさ」を見出せるのは自分の中でしかない。


もう一つ、裕福な環境で育った若者には理解できないかもしれないが、

我々の文明社会には、野生の世界と同じくらい過酷な生存競争がある。

この社会で生き残っていくことそれ自体がすごいサバイバルだと思う。

何も過酷なアラスカの自然に入っていかなくてもサバイバルできるのだ。

「崇高な死」など選んではいけない。

「卑小な生」こそに価値があるのだ。