今一番ハマっているものと言えば、ポッドキャストの科学番組

『ヴォイニッチの科学書』だ。

最近移動中はこればっかり聞いていて、それで音楽が聞けてない(x_x;)

サイエンスは十分エンターテイメントになりえるのだ。


そのメインパーソナリティーの中西さんが書かれたのがこの本だ。

番組同様、実に分かりやすく食品汚染を科学的視点から解説してくれる。


僕がずっと気になっていたことにもいくつか答えが出されている。

実に興味深いので、本の内容を一部紹介させてもらおう。


●吉野家の牛丼は食べても安全なのか?(答:食べちゃおう)


狂牛病騒ぎ以来、僕はアメリカ産輸入牛を食べるのを極力避けてきた。

吉野家の牛丼はその代表例で、吉野家の牛丼ファンだった僕は、

あの騒ぎ以来、豚丼しか口にしていない(お新香も食べてるけど)。


狂牛病の原因はプリオンと呼ばれるたんぱく質の異常によるのであるが、

この「異常プリオンたんぱく質」は我々の消化器官では分解されない。

それでこのたんぱく質を食物から吸収してしまうと、

そのまま体に取り込まれ、我々の神経細胞の働きを妨害するのである。


狂牛病患者が出て以来、精肉の際に、頭部や脊髄などの危険部位を

除去する対策が世界中でとられている。しかし精肉作業の際、

脳や脊髄から飛び散った異常プリオンが食肉にかかってしまうこともあり、

いくら安全対策をとっても完全に安全とは言えないのだ(byとある専門家)。


ここまでが僕がマスコミを通じて知っていた狂牛病についての知識だった。

「安全じゃないんだ」と思いこんだ僕は吉野家の牛丼を控え続けた。


しかしこの『食品汚染は何が危ないのか』によると…。


精肉過程における「ピッシング」という工程が大きな問題であることが分かる。

「ピッシング」とは、と殺後の牛の足が痙攣的に跳ね上がって、

作業員が怪我することを防止するために、頭からピッシングロッドと呼ばれる

ワイヤーを挿入し、脳や脊髄を破壊する処理のことだ。


こんなことをすれば、破壊された脳や脊髄から異常プリオンは飛び散る。

それが商品の肉にかかってしまうことはやむをえないだろう。

だが世界中でこの問題への処置は迅速に行われた。

欧米ではこのピッシング処理は狂牛病発生とほぼ同じ時期に禁止された。

一方日本ではピッシング処理は黙殺され続け、少なくとも2007年まで

ピッシング処理された牛肉は市場に流通されていたのである。

2008年度中にようやくすべてのピッシング処理はなくなるとのこと。


つまりは、もしかすると…。

アメリカ産牛肉よりも国産の方が危ないかもしれないのだ。

「ウソこくな!!日本は全頭検査してるやんけ!!」と言う人もいるだろうが、

全頭検査といえども完ぺきではないのである。


今の全頭検査は脳の異常プリオンを検査しているが、

特定危険部位の一つである脊髄は検査対象になっていない。

よって、脳ではなく脊髄に異常プリオンが発生した場合、

その牛の肉は市場に出回ってしまうのである。

しかも2007年まではピッシングされた状態で出回っていた可能性がある。


最後に一つ、狂牛病感染牛は日本で毎年確認されている。

2008年3月に累計35例目ということなので、統計的には無視できるくらいの

まれな発生率と言えるので問題はないだろうが。


ま、とりあえず、アメリカ産牛肉も安全とのことなので、

僕は吉野家の牛丼の解禁を決意した。

今晩さっそく買って食べようと思ったのだけど、

仕事帰りに近くの吉野家に行くと、改装中で店が閉まっていたのだった。

残念!!

でも迷信深い僕は、これは何かの虫の知らせじゃないかとも感じてしまった。

僕に牛丼を食べさせないための守護霊の配慮かも??


「食べるべきか食べないでおくべきか、それが問題だ」(byシェイクスピア)

でも、とりあえず中西さんを信じて食べてみようと思う。