夕止みの雨


秋桜の雫は


静かに冷たく


水たまりを渡る風は


もう夏を含んではいない


さよならも


こんにちはも


何度も巡る


切なさと高揚


帰る場所があるだけで


抱きしめられた気がした


秋のさよならが聞こえる前に


帰る場所が見つけられないなら


ここへおかえり