「私をお食べ」


お腹の空いた旅人が


喜んで口にしたお菓子には


小さな小さな注意書き


「どうなっても知らないよ」


一粒食べた旅人は


翌日静かに眠りについた


たくさん食べた旅人は


百年生きて眠りについた


二人は最後に笑顔とともに


幸せだったと


同じ言葉を残していった


「どうなっても知らないよ」


幸も不幸も


損も得も


誰かが決めることじゃないんだ