拝啓

親愛なる花粉さま

杉の木も橙色に染まる季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

春一番が吹くと毎年、あなた様方の多大なる愛の贈り物を思い出します。

今年こそはと思いながら、毎年その愛に甘え、お伝えすることができませんでした。

わたくしにお心を寄せてくださるのは大変ありがたいことなのですが、今回は丁重にお断りさせていただきたく、ようやく筆をとりました。

毎年、わたくしの目や鼻では、あなた様方の愛を受け止めきれず、溢れてしまうのです。

とてももったいないことです。

また、本来その愛を向けられるべきはわたくしではございません。

どうかこれからは、あなた様方が本来愛するべき方へ向けて、全力で愛を注いでくださいますようにお願い申し上げます。

わたくしは木ではなく人間でありますので、種族間を超えての愛は今後一切お断りさせていただきます。

最後になりましたが、今後も緑豊かなみなさまの繁栄を心より願っております。

花粉症人間、水より

敬具

追伸 丁寧に書きましたが、要するに私では受粉できませんから近寄らないでください、ということです╰(*´︶`*)╯