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飽和した水滴は
もう温度の下がった晩だから
冷えてガラスにしがみついてる
姿が見えるまでは
気づかずにまみれてる
音のない活劇みたいに
色のない反転のように
あの1枚だって本当だったけど
厚く重ねても
幾億年の層が
亀裂で剥がれたら
そこは初々しくまばゆいものだったのに
枯れては芽吹く
掘りおこして逡巡する
生けるものが運ぶ
ここは果てしない螺旋の真下で
融合を憂いても
あの息継ぎは
瞳にも映る
ミクロの一条は
かけがえのない美しさで
忘れるほど
ずっと同じ場所に貼りつけておくから
磁場が歪むように
数秒間の蜃気楼が霞むのを眺めてた
夢のなかの掠れた声で
座りこんで膝を抱える
守られることのない俯いた肩に
緩慢な微熱のまま