この手の本 (読書論) は自分でもなんとかしたいと思っているからだろう、色々と手を出している。

そんな中でもちょっと本書は他と趣が違う気がした。

 

アルファー読み(既知の情報を再認・認知する読み方)とベーター読み(未知の情報を洞察・想像力で読み解く創造的な読み方)で区別していること。そして、古典など読んでもすぐにわからないような書物でも、素読することの有効性を説いている。

 

安達忠夫も『素読のすすめ』で「早急に意味をもとめようとせず、ことばそのものを、できればその全体を、くりかえし自分の心に刻みつけておけばこそ、やがて深く根をおろし、生きたことばに育っていくのではなかろうか。」と言っている。

 

本書はその文脈で、ベータ読み、つまり、読んでもわからない文章を根気強く読むことの重要性も説いているのだろう。

 

しかし、この年齢になって、使う時間も選別的になりたいし、

段々と根気もなくなってきて、仕事(そして自分の場合はテニスとマラソン)以外ではなるべく根気エネルギーを使いたくない。

 

こんなことが頭を駆け巡り、本書の内容をどう消化すべきか判然としないまま読み終えてしまった。

ただ、今後も心に留めておくような気がする。

 

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  •  読むことの本質と限界
    • 私たちが「読んだ」「わかった」と感じる読み方は、既知の情報に基づく低次元の読みであり、身近な知識しか得られない。
    • 未知の内容に対しては、この読み方では太刀打ちできず、理解が困難になる。
    • 学校教育で教えられる読み方は、主に既知の情報を読む訓練にとどまり、未知を読む力を育てることには踏み込んでいない。
  • 未知を読むための知的作業
    • 未経験な内容の文章は、読み手にとって暗号のようなものであり、想像力・論理力・判断力が求められる。
    • 「読める」と「理解する」は別物であり、読めても理解していないことが多い。
  •  理解の主観性と加工
    • 「あるがままに読む」という客観的理解は実際には存在せず、読み手の経験や知識によって必ず加工される。
  • パラフレーズ(言い換え)の役割
    • 説明の手段としてのパラフレーズには、単なる言い換えと、より深い理解を促すものの2種類がある。
  • 教育の役割と課題
    • 学校教育の重要な役割の一つは、未知を読む力を育てること。
    • 子どもは困難な読解にも耐えられるが、教科書が「つまらないもの」とされ、卒業後は既知の読みへと戻ってしまう傾向がある。
  • 批評と教養
    • 批評を楽しめる人が増えることが、教養ある人間を育てる教育の証。
    • 単なる職業的スキルではなく、文化や新しい世界への関心が重要。
  • 言語とウソの関係
    • 言語には「離乳語」としての性格があり、**現実に基づかない表現(ウソ)**が可能になる。
    • フィクションや思想も、広義のウソとして文化の中で重要な役割を果たしている。
  • バーンスタインの言語分類
    • 言語は「限定用法(RC)」と「精密用法(EC)」に分類される(B. バーンスタインによる)。
  • アルファー読みとベーター読み
    • アルファー読み:既知の情報を再認・認知する読み方。
    • ベーター読み:未知の情報を洞察・想像力で読み解く創造的な読み方。
    • 教育はアルファー読みから始めてベーター読みへ移行するが、多くの人がベーター読みまで到達できていない。
    • ベーター読みの訓練は幼少期からが効果的であり、古典や外国語がその訓練に適している。
  • 読解と発見
    • ベーター読みは、新しい知的世界の発見につながる可能性を秘めている。
    • 例として「モモタロウ」の話も、素朴な物語の裏にあるメッセージを読み解くことで、深い理解が得られる。