7日に行われたセリエA第36節、ミラン対ローマの試合。


残り3試合で2位インテルと勝ち点差8をつけているミランは、引き分け以上で優勝が決まる試合だった。


結果は0-0のスコアレス。


ミラニスタたちも待ちに待ったであろう、7年ぶりのリーグ優勝を決めた。


私もミラニスタなので、ここは喜びを爆発させたいところだが、ここはひとまず今年のミランを振り返ってみようとおもう。


まずは、今年の優勝にもっとも貢献したであろう選手を挙げてみよう。


1人目は、文句なしにイブラヒモビッチだろう。インテルとの直接対決など大事な試合を出場停止で欠場するなど、問題児っぷりは相変わらずなのを見せてくれたものの、それでもシーズン序盤から中盤に掛けては前線の核としてゴールとアシストを量産。去年までミランの長年の課題だったゴール不足と大型FWの不在を一息に解決してくれた。インテルがモタモタしていた時期に、ミランを引っ張ったのは間違いなく彼だろう。


次は、大きな成長を遂げたチアゴ・シウバ。マルディーニから彼の引退時に後継者に指名されたブラジル人は、コンビを組むネスタと世界最高ともいわれる堅守を発揮し、さらにはその相棒がいないときでも、ミランの最終ラインをしっかりと支えていた。もちろん相棒のネスタも含めて、彼らなくして優勝は絶対なかっただろう。


そして、ベルルスコーニとガッリアーニも当然その立役者だろう。近年は、ロナウジーニョやシェフチェンコなど、話題性ばかりですでに全盛期のプレーは見る影もない選手ばかりを高額で獲得し、一方でエースのカカを放出するなど、その市場での立ち回りは常にサポーターから批判されていたが、今シーズンはイブラヒモビッチを前代未聞の方法(レンタルながら、移籍金の分割払いでの事実上の完全移籍)で獲得し、さらにはロビーニョを1400万ユーロで獲得。チームの新たな核を作ったのに続き、DFマリオ・ジェペスやMFボアテング、GKアメーリアといった選手を安値で獲得し、バランスのいいチームを作り上げた。しかしこれだけでは終わらず、冬にはさらにファン・ボメル、カッサーノ、エマヌエルソンといった優良選手をこれまたほとんど移籍金をかけずに獲得し、選手層の質とともに厚さも確保した。その後のボアテングやファン・ボメルの活躍や、ネスタが離脱していた時期のジェペスのみせたパフォーマンスは、誰もが知るところだろう。


また、アッレグリ監督の采配も光った。ベルルスコーニが再び良い補強を始めた年に就任したというのは、去年満身創痍のチームを預けられ、しかもベルルスコーニにことあるごとに戦術に口出しされていたレオナルドと比べればずいぶんラッキーだったろうが、それでも選手たちを良くまとめ、4-3-1-2を用いて、前任と違いしっかりとした守備組織を構築したことは、賞賛に値するだろう。優秀な選手は多かったとはいえ、新加入の選手が中核を担ったチームを見事にまとめたのも、彼の監督としての能力だと言っていい。特にレオナルドとの確執から輝きを失っていたガットゥーゾらベテランを復活させたことで、アンチェロッティ以来のまとまりのあるチームになったといえる。


チャンピオンズリーグでこそ、新興勢力ともいえるトッテナムに負けてしまったが、パトやメルケルといった若手が着実に成長していくことができれば、ビッグイヤーを再び掲げるのも時間の問題だろう。サントスのMFガンソなどの獲得も噂されており、もし獲得が実現すれば、彼はかつてのルイ・コスタやカカのように、新たなチームの核なれる素材だ。


もちろんそうそう上手く行くものでもないだろうが、もしかすると、遠くないうちに去年モウリーニョのインテルが果たした3冠の偉業を、今度はミランが達成するのを目にすることができるかもしれない。