インテルが、ミラノダービーでミランに3-0で完敗したのに続き、5日のチャンピオンズリーグ対シャルケ04の試合でも、ホームながら5-2と惨敗した。これによりインテルは、逆転してベスト4に進出するために、次のアウェーの2ndレグで4点差以上の勝利が必須条件となってしまった。


ベニテスからレオナルドに監督が代わって以降、ぐんぐん調子を上げ、前半の不振が嘘のような戦いを見せてきたインテル。ところが、ここ2試合の強豪との対決では、まるでいいところがない。


まずは、やはりレオナルド監督の采配に原因があるのではないだろうか。


ミランの監督を務めた昨シーズンから、レオナルド監督が好んで用いてきたのが、「4-2-ファンタジスタ」と言われる攻撃的な4-3-3。先日の対ミラン戦では、まさにこのフォーメーションが裏目に出たといえる。


このフォーメーションは、中堅クラブ相手には、まさに絶大な効果を発揮する。攻撃陣に関してはインテルには文句なしの選手がそろっているし、守備にしても、カウンターを食らったところで、相手にはそれを確実に決める力がないからだ。


ところが、ミランのようなビッグクラブ相手には、まったくといっていいほど通用しない。実際去年ミランにいたときも、このフォーメーションを用いた結果、CLでレアル・マドリーに粉砕されているし、今回のダービーもまた然り。せっかくの攻撃力も、守備で後手後手に回っては発揮の仕様がないというわけだ。


次は、シャルケ戦。この試合では、インテルが用いたのは4-4-2。しかしそれでも結果はホームでの5失点惨敗。では、本当の問題とはどこにあるのか?


私見だが、やはり守備ではないだろうか。はっきりいって、キヴとマイコンは最早あまりにも頼りない。この大敗した2試合での2人のあまりにも低レベルなパフォーマンスは、誰もが知るところだろう。


新加入のラノッキアはまだ若いし向上の余地はいくらでもあり、レジェンドであるサネッティもそれほど悪くはない。ただ、レギュラーであるこの二人、特にキヴはあまりにも期待を裏切っている。大事なこの2試合でそろって途中退場というのは、彼の信頼を失わせるのに十分すぎるのではないだろうか。


もしも、ここ2試合だけの話だったならば、まだよかっただろう。だが、マイコンにしろキヴにしろ、このような低調っぷりはなにも今に始まったことではないのだ。少なくとも、出るたびにすばらしい運動量を見せている長友を、なぜもっと起用しないのか。キヴを外して長友を入れるというのは、日本人としてのひいきを抜きにしても、決して悪くないオプションであるはずだ。


もちろん、大敗の責任をキヴ1人に押し付けることはできないだろう。しかし、モウリーニョが去ったからといって、ここまで調子を落とすだろうか。あるいは、モウリーニョという守備を重視する指揮官が去ったからこそ、中盤の選手までを含めて、間違いなく守備はインテルの課題のひとつだといえる。