夏の日、ビール、帰らない俺たち | 酔いどれ詩人になるまえに
● 夏の日、ビール、帰らない俺たち

今日15時くらいに部室に行って練習をした後20時くらいに部室を出た。

常盤松会館から出ると、夜になっても鳴くセミと蒸し暑さがある「ニオイ」を思い出させてくれた。

大学生の頃嗅いだ懐かしい夏のニオイだった。

大学3年生の頃、やはり練習を終えて後輩の前田と木こりで酒を飲んだことを思い出した。


確かそのとき前田は二回目の1年生、つまりいわゆる留年。

強くてニューゲーム、もう一回遊べるドン!!^^といった状況だったと思う。

そして、彼は同級生のヴァイオリンの女の子に恋をしていた。

前田君が同級生の女の子に恋をしているのは周知の事実だった。

どのくらいのレベルで周知の事実かというと、女の子も気がつくレベルで周知の事実であった。

ちなみに女の子がなぜ気がついたかというと、以下のような流れである。

飲み会

おい、前田、お前最近どうなんだよ!!!!11!!

先輩なにがっすか^^;

ああん?何がじゃねえよ、どうなんだよ!!11!!

言いたくないっす^^;;;;

ああ?お前ライターで燃やされたいんか?ああ?汚ねえ花火になりてえんか?

ああぁー、言わないでくださいね、同級生のO塚さんのことが、ちょっと^^;

ちょっと?意味分かんねーこと言ってんじゃあねえよ?ちょっとって何だよ。

いや、気になるっていうか。なんかかわいいなあって。

気になるってあれかO塚のことが好きなのか?カァー、若いねえ、恋か、恋の季節か。

先輩、それ以上はマジで勘弁してつかあさい。

ガハハ、まあ飲めよ。今日は焼酎がうまいのう!!


というようなやり取りがあった翌日。

僕「あ、O塚さんお疲れ様ー^^ところで前田君のことどう思う?

僕は前田君のことイ・チ・オ・シ(はぁと)するけどなー^^」

O塚さん「いや、別に^^;特にないですけど・・・・・・」

僕「なんでなんで^^^^?どうして前田がダメなの^^???」

O塚「えっと、えっと^^;」


とゆうような鬼畜の所業を連日カマした結果、前田の株がリーマンショックもかくやという勢いでダダ下がりしたのである。(そしてなぜか僕の株も下がったのである^^;)

この一連のやりとりの後、音速を超える勢いで噂が広まったのであった。

ここで僕サイドから5年前の前田君に向けて謝罪したいと思う。

前田くん、ごめんなさい。

前田くんがO塚さんにフラれたのは前田くんの魅力が足りてなかった99パーセントと、

僕が暴走してO塚さんにゲキ押し、ゴリ押し、波状攻撃した1パーセントが原因です。

つまり、ほとんどの責任は前田サイドにあるわけで、私は何の咎を負うべき理由もないわけであります。


さて、謝罪も済んだところで昔話に戻ろうかと思う。

前田と一緒にきこりに入った瞬間、すでに飲んでいたテーブルのざわつきがスッと静まり返ったのです。

ハハア、これはアレだなと思いました。

「なんの話してたんですかー^^?」

と聞くとみんなが前田と目を合わせずに俯いている。

「あれあれー?楽しい話聞かせてよ^^」

えっと、その、

O塚さんが後輩の、よし・・・かわ君と、

つき、あってる。らしいで、す。

さて、この後の展開は話す必要もないでしょう。

前田、お疲れ様!という威勢の良い掛け声と差し出される生ビール。

前田コールと共に震えながら飲み干す失恋の君。

おう、前田飲めよ、今日は飲もうや、ガハハと高笑いする僕。

クソみたいな青春の一ページと阿鼻叫喚、飲みすぎて終電をなくす僕と前田。

夜26時、終電をなくし居酒屋きこりからも追い出された僕と前田は、とりあえずコンビニでビール(サッポロ黒ラベル)を買う。

おう、前田、飲めよ。

ジャン先輩、ありがとうございます。

前田、良いじゃねえか、人を好きになるって、傷つくこともあるけどさ。

まあ、今日は飲みながら18号館に泊まろうや。

先輩、オレ。

おう、今日は飲もうぜ、タバコ吸うか?


とゆう一連の流れがあり前田君はタバコを吸うようになりました。

ちなみに次の日は朝10時から強化練で、二人とも寝不足と二日酔いというダブルパンチを決めながら午前中はコーラで気合を入れ、昼休みにアリーナにあるシャワーを浴びて缶コーヒーを僕は前田に奢ったのでした。

管弦楽部で失恋する男のほとんどにパターンは、当事者である彼よりも周りがとにかく暴走して周囲に言いふらすことが原因であります。

ちなみに僕もその犠牲者であり、だからこそ後輩も地獄のズンドコに巻き込みたいというパッション、病気に罹患してしまったのでありました。

後輩のみんな、前田と俺のエピソードはクソだけれども、拾える教訓が一つある。

それは、誰かに恋をしたら1000パーセント秘密にして墓場まで隠し通すか、ぶっちゃけた話を暴露した後には速攻でアプローチして結果を出すしかないのである。

ただれて酒臭い、エピソードであるが懐かしい日々でもあるのでした。