掛け算の構造
毎日読むのを楽しみにしているメルマガがいくつかある。楽しみに、という割には結構流し読みで、30秒くらいで終えちゃっているんだが…(苦笑)。それでも毎日、必ず開いて目を通す。たまに「あっ!」と思う記事があるからだ。今日がその日だった。実は今日のメルマガの話は、過去に何度も何度も聞いた(はずの)話だったんだが説明の仕方を変えておられたから今回の話はストンと腹落ちし、非常に納得した。以前のエントリーにも書いたが、お客様に同じ話をしても中々通りが悪い時とするっと納得して下さるときがある。これは、人に刺さる説明の仕方は人によって違うからで、他者に理解してもらうには、同じ話を何度も何度も手を変え品を変えしなくてはならない、と思っていた。いや、正確には今もそれは半分正しい、と思っている。半分、というのは自分自身が聴者になった場合はもう少しハードルを上げた考え方をすべきだ、と思ったからだ。今回のメルマガの執筆者は、今まで何度となく自身が提唱している方法を用いた読者が大きく自己変革を遂げている例を紹介していた。その意図は、自身が提唱している方法 × (各人の分野での)普段の努力によって、人生は激変する、というメッセージを伝えたい、ということなのだが、自分達の分野での普段の努力をしていないにも関わらず「一向に変わりません!」と愚痴る読者にモノ申しているのだ。君たちは物事を「足し算」だとおもっていないかね?本当は「掛け算」なんだよ。だから私が提唱している方法をどんなに頑張って「3」にしたとしても君たちの分野で「0.1」の成果しか残せていなければ、3×0.1 で、0.3 にしかならない。反対に君たちの分野で「3」の成果を達成すれば3×3 で 9 の成果が見込めるのだ。意訳するとこんな感じのメッセージだった。話は少々本題からそれるが、掛け算の話は昨日たまたま見たYouTubeの藤原和博さんの動画にも出てきていた。藤原さんは自分のキャリアについて掛け算思考を持てと説いておられた。だいたい1万時間以上従事すればどの分野でも100人に1人の人材になれる、と言われている。それが2つの分野で達成できれば1/100 × 1/100 = 1/10,000となり、1万人に1人の人材となれるのだ。そうして1万人に1人の人材となったら、その二つを足掛かりにして、自分の業界から少し離れた分野にチャレンジしてみることを薦めておられる。そこでも100人に1人の人材になれれば1/100 × 1/100 × 1/100 = 1/1,000,000となり、100万人に1人の「レア」な人材となる。この100万人に1人の人材、というのが例えばオリンピックで金メダルをとるような人なのだがそれほどの人達と同等の希少さだ、というのだ。は、羽生くんと並べちゃうの?????!この理論の肝は一つの分野(例えばスケート)で100万人に1人の人材になるためには血のにじむような努力のみならず、才能や、運など様々なものが必要であるが掛け算で導き出す方の逸材は普通の人でも到達できる、というものだ。すでに税理士業を長く続けている私は、この理論で言うとすでに100人に1人の人材となっている。近接業務で新たに1万時間を達成しようとする場合、毎日3時間、そこに費やすと仮定すれば10,000時間÷3時間/日÷365日/年=9年間で新たな分野の100人に1人の人材となる。ここから勝負にでればいいのだ、と藤原氏は説く。え、10年後っていくつよ?!と一瞬たじろいだが、藤原氏がリクルートを退社して和田中の校長となったのが47歳、63歳の現在は、カバンや時計のデザインにも乗り出している、というのを聞くと、人生100年時代となった今、50歳も60歳も微差にすぎないのではないか、と妙な安心感が出る(笑)。さて、長々と本題から外れて藤原氏の話をしたのは、これが「掛け算思考」の例だからだ。キャリアを「掛け算」という観点から見ているのだが、この「掛け算」という構造をどうして私は前出のメルマガの先生がメルマガで書かれるまで気付かなかったのか?!このことをとても残念に思った。30秒の斜め読みでいい話を聞きました!と言って満足しているのは、NewsPicks本で箕輪厚介さんが否定し、揶揄した「評論家」と同じなのだと改めて気づき、反省した。日々の様々な事象をもっと注意深く観察し一つ一つ抽象化していく作業を地道に行うことこそ重要だ。本当に変わりたいのなら、批評家にではなく、実践者になることである。