選択と集中
昨日はZOOM三昧の日であった。夕刻までセミナーがあり、その後は有志での懇親会。結局、日付が変わる時刻まで懇親会は続いた。自分とは違う業界に身を置く人たちの発言はいつもとても新鮮だ。ヒトは知らず知らずのうちに狭い世界だけにしか通じない「常識」を世の理だと勘違いしてしまう。凝り固まった思考から見た世界は自分の都合のよいように歪んで見える。私はコロナで事務所の中にこもっていて多様な人々との交流が途絶えがちになっている。そうすると、自分の思考の幅が狭まってきているのを如実に感じる。そういう意味でも、気づきをもたらせてくれた昨日の懇親会は実に有意義なものであった。詳細はここでは割愛するが、懇親会の場で、ある方がある企業のとある試みについてそれはその事業において得策だったのかどうか、と疑問を呈した。そういう視点で一切見ていなかったのでとても新鮮だった。漫然と物事を見ているのではなく、その事象の構造を見て思考する人がいるのだ、という驚き、とでも言おうか。自分とは関係のない事業であってもそれが行われた目的や意義、その波及効果などを冷静に観察する目をもっている者とそうでない者とでは思考力に大きな乖離が起こるのは自明のことだ。ぼんやりしてちゃぁ、ホントにダメだなぁと反省する。今日は日曜日なので、いつものごとくのんびりしていたのだが、遅れに遅れている事務所の資料整理をしなくてはかなりマズイので、重い身体を引きずり、事務所にやってきた。んだけど、ねwえへへあっさり断念。ちょっと疲れちゃってて(苦笑)。でも、折角事務所にやってきたので、気になっていたGODIVAのアイスをゲットして暫し休憩タイムにした。休んでたら、またやる気が盛り返すかもしれないではないか!ということで、アイス片手にソファーに陣取り、ペラペラと本をめくってくつろいでみた。今受けている研修でしばしば登場する一倉定先生のその名もずばり「一倉定の経営心得」。本当は1冊14,300円也で全10巻の社長学シリーズを読まないといけないのだろうが、とりあえずはその抜粋版。プールに入る前に、ちょろちょろと水を心臓付近に掛けないと心臓麻痺を起こしちゃうでしょ?それと同じで、命の危険性があるので抜粋版で頭をならすことにしたのだwこの本、見開き2ページで15行程度の抜粋文があげられている、というなんとも読者に優しい(?)代物なのだが、気を抜いていると、するすると読めちゃうので、何にも残らず、あっさり「はい、おしまい!」となりかねない。実はかなり恐ろしい書籍だった。恐らくこれは社長学シリーズを全部読んだヒトが日々、振り返りのために読むものであって、プールの水かけ用に読むものではないのだろう。しまったさて、どうしたものか…などと思っていたら、以下の文章に出くわした。*****「お客様の要求の特定の部分に限定し その中でお客様の多様な要求を満たす。」 ということである。 お客様の要求の特定の部分に事業を絞り、 これにわが社の資源と努力を集中することである。 これが集中の原理である。*****何度も聞いてきた筈の「選択と集中」の考え方であるが、ふと、昨日の懇親会での会話を思い出し、「選択と集中」の本当の意味をまだまだ私は理解していないのだな、としみじみ思った。前出の、ある企業のある試みに対して違和感を感じた、というのは私たちが想定していたサービスの受益者とその企業が想定したサービスの受益者の範囲が明らかに異なっていたからに他ならない。当たり前だが企業は変化していく。流れの早い現代にあっては、ずっと同じポジションを死守することの方が難しい。企業も消費者に悟られぬように静かに対象顧客を変えていく。今いるお客様が未来永劫、自分たちのお客様でいてくださる保証はない。だから、今いるお客様へのサービス提供と同時に、新たなお客様を作り上げていかねばならない。事業者はお客様の多様な要求を満たすべく努力するものだが、色々なお客様がいらっしゃるとその要求はとんでもない数になってしまう。例えば、お客様をグループ分けしたらABCDEという5種類あったとしよう。それぞれのグループが3通りの要求をしてきたとしたら、5×3=15の違った対応を行わねばならなくなる。まぁ、大変!色々な属性の顧客を持つとやらねばならないことがいたずらに広がってしまって、結局、不完全なサービス提供に終わってしまうということだ。実に耳の痛い話前出の企業は自社の事業の定義を再確認したのだろうと思う。そしてその定義に則って自社の顧客を再規定し直し、新たに想定した顧客の「多様な要求」に応えようとしたのではあるまいか。翻って私はどうか?今は目の前に上がってくる要求に反射神経的に対応しているが、それは物言わぬ善良なお客様への対応が遅れることも意味する。私が大きな組織を持っていたのならまだ対応できたかもしれない。けれど私は小さな組織を選んだのだ。当然だが選択と集中は他のどの事務所よりも明確に行わねばならない。資源が少ないからだ。昨日の懇親会でもしばしば話題に上がった「アフターコロナの企業の姿」。まだまだコロナの渦中にあるし、何より世界が未だ経験したことのないものなのだからコロナ後の世界を想定することは難しい。けれどたとえ難しくとも私たちはリアルタイムで時代に沿って生きていかねばならない。だからこそ、今一度、自分の事業をきちんと再定義し、自分のお客様が誰なのかを明確にする必要がある。時代の変化が激しい中で、お客様の要求を満たし続けようとするならば多種多様なお客様を自社の想定顧客にしていては満足なサービスなど提供出来る訳がない。今までは何となく事業が成り立っていたけれど今一度、ここで見直さねば大変なことになるやもしれない。すぐに答えのでるものではない。だけど問い続けねば、解は見つけ出せない。とりあえず字も大きいし、文字数も少ないし、もう少しこの抜粋版をゆっくり噛みしめながら読むとするか。