以前書いていた【心の空】番外編です



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僕は見てしまった…


相葉と車で会社から帰る途中


歩道を歩く翔くんを…


で…その隣には可愛い女の子が…(゚ロ゚;)


腕を組んでとても楽しそうだった


相葉も気づいて


[さ…智さま…あ、あれなんですかね?ほら、あの右の上の方の…]


左の歩道に居た翔くんに気づかせないように僕を右に誘導しようと必死な相葉


僕は最初気づかなかった振りしようと思ったけど


『今の翔くんだよね…一緒の子誰だろう…』


なんて相葉を困らせるような事言っちゃったんだ


[が…学生時代のお友達でしょうか…]


いつも冷静な相葉が僕より動揺していた


僕がショックを受けるんじゃないかって心配だったのかな…


『停めて…僕翔くんに聞いてくる…』


[さ、智さま…]


『ぼ…僕…翔くんに……翔くんに…』


相葉は車を停めて僕の方に振り返った


[智様…大丈夫ですか?]


僕は…相葉の顔を見た途端なんか急に悲しくなったんだ


『翔くんが…翔くんが…』


僕の大好きな翔くんが女の子と腕を組んで歩いてる…


その事実を今やっと認識した


最初は夢見てるような気がしてなんとも感じなかったんだけど


相葉の動揺と心配な顔に僕はやっと状況を把握した


[智様…何かご事情がお有りなのですよ…]


『どんな?どんな事情があるの?』


僕は相葉に食ってかかった


相葉を責めても仕方ないのに…


『僕…イヤだ…翔くんが……僕の翔くんが…イヤだよ……相葉…どうしよう…』


[智様…]


『僕…やっぱり聞いてくる!翔くん追いかけて聞いてくる!』


僕は車から降りると翔くんを追いかけた


信号1つ分を全力で走った


怖かったけど…泣きそうだったけど…


僕は事実が知りたい


翔くんが女の子と腕組んで楽しそうにしてるのはどうしてなのか


僕の…僕の翔くんなのに…どうして?





走ったら直ぐに追いついた


前を歩く翔くん…


さっき見た時と同じで女の子と腕を組んで歩いてる…


『翔くん…』


僕は蚊の鳴くような声しか出せなかった…


そして…僕は急に冷静になって考えた


ここで翔くんに声をかけて迷惑をかけたらどうしよう


もしかしたら相葉が言うように何か事情があるのかもしれない
 

立ち止まったら翔くんはどんどん離れていった


その後ろ姿はどこにでもいるような普通のカップルで


僕の入る隙など無いように感じた


『翔…くん…』


僕は何も出来ずただその後ろ姿を見つめていた