朝…
お前は急にやって来る
そして…布団に潜り込んできて
「起きて…ねぇ…しよう」
と冷たい手を忍ばせてくる
『朝からやめろ…』
と返事をしたけど拒絶する気はなく…
むしろ待っていた自分
お前に身を任せ愛を確認する…
この時間が愛おしい
「これ面白いって評判だから一緒に観よう」
DVDとポテチを持って来たらしい
コーヒーを入れると手招きされた
ポテチを渡され袋を開ける
お前はプレイヤーのスタートボタンを押すと隣に座りニコッっと笑った
このDVD自分はもう鑑賞済みだったが黙って一緒に観る
お前は時々ポテチを口に入れてやるととても喜んだ
このひとときが愛おしい
「ねぇ…鼻くそ溜まらない?」
お前の口から鼻くそなんてワードが出るなんて驚くけど
『ふふっ…なんだよ急に…』
「マスクするからかな…鼻くそ溜まるんだよね…」
とティッシュを1枚渡された
お前は鼻の穴に指を差し込みほじり始めた
『まさか翔と一緒に鼻くそ取る日が来るとはなぁ…フフフッ…』
こんな事でも2人一緒だとなんだか嬉しくて愛おしい
飯を作り始めたらお前が背中に身体を擦りつけてきた
「ん〜〜美味しそうな匂い♡ん〜〜でも…あなたの香りの方がもっと美味しそう♡」
とても邪魔である
『手伝わねぇんだったらあっち行ってろ!』
少し怒った口調で言ったがお前は懲りなくて
ずっと首の辺りをクンクンしている
なんとか離そうと時々味見をさせると
とても嬉しそうで『離れろ!』なんて言えなくなる
「めっちゃ美味しい♡」
可愛く微笑むお前がとても愛おしい
飯も終わり
「じゃあ…そろそろ帰るね!」
聞きたくない言葉に平気な顔で応える
『うん!気をつけてな…』
笑って送り出さなくちゃ
寂しそうにしたらお前は困るから…
もう来てくれなくなるかもしれないから…
あの時…「これ…」と鍵を差し出したお前に
『いつでも来ていいから持ってていいよ…』と受け取らなかった
優しいお前は手を引っ込めてそのままポケットに仕舞った
困らせたよな…ごめん…
でも…終わりにしたくなかったんだ
『鍵返して…』と言わない自分は
酷い奴だ