台所へ行くと智くんが膝を抱えてうずくまっていた…


肩を揺らし泣いている…


『ウウッ……グスッ……』.˚‧º·(இωஇ)‧º·˚.


どうしょう……


こんなに泣いている智くんを見るのは久しぶりだ


今まで俺は何度も智くんを泣かせてきた


その度にもう絶対泣かせるような事しないと誓ってきたのに


俺はまた大事な人を悲しませてしまった


俺の浅はかな考えで智くんを傷つけてしまった


何度同じ事を繰り返すんだろう


本当に俺って…


「智くん……ごめん…本当にごめん…」


俺は謝り続けるしかない


智くんが許してくれるまで何度も何度も言い続けるしかない


「智くん…俺が間違ってた…正直に言えばよかったのに……」


『ウウッ……グスッ……』


智くんはうずくまったままで俺の方を向いてくれない


「嘘つきの俺なんて嫌いになられても仕方ないけど……もう…もう二度と嘘は言わないから…」


『グスッ……』


「智くん………どうすれば許してくれる?……俺何でもするから……智くんの望む事何でもするから……」


『……何でも?…』


やっと俺の話に耳を傾けてくれた…


「何でもする!智くんの願いを全て叶える!絶対!」


智くんが許してくれるならどんな事だって俺はする覚悟だ!


「だからお願い…顔を上げて…」


智くんの横に座り頭を下げる


俺は必死だった…













『……ふふっ…』


「え?さ、智くん?…」


『んふふっ……』


「智くん???」


笑ってる?さっきまで確かに泣いてたよな…


『じゃあ……風邪が治ったらディナーに連れてって……翔くんのおごりだからね!』


顔を上げた智くんは笑っていた…


涙なんてひと粒として流れていなかった…


「え?智くん嘘泣き?……」


『翔くんが正直に風邪ひいたって言ってくれなかったのは僕の事考えてくれたからなんでしょ!なら怒るわけないじゃん!』


「なんだよもう…」ヨカッタァァε-(´∇`♥)


俺は智くんを力いっぱい抱きしめて大きなため息をついた


「ハァッ〜びっくりした〜…俺本当に嫌われちゃったかと思ったよ…」( ´Д`)=3


『でも……今度風邪ひいた時はちゃんと言ってよ…僕には遠慮してほしくない』


「うん…本当にごめんね…」


『もう…謝んないでよ…』


智くんは優しく俺を抱きしめてくれた…


あ〜〜温かい…


よかった〜!本当によかったよ〜♪


『としが翔くんが好きなの色々作って持たせてくれたんだ!一緒に食べよう♪』


いつもの優しい智くんの言葉に安心する


「としさんの料理有り難い…俺カップラーメンしか食べてなかったから腹ぺこでさぁ…」


『出来るまで寝てて…』


智くんは立ち上がると俺に手を差し伸べてくれた


「ありがと…でももう結構寝たからここで待っててもいい?」


ずっと寝ていたので少し腰が痛い…


『じゃあブランケット持ってくるね…』


智くんは寝室からブランケットを持ってくるとソファーに座った俺の膝に掛けてくれた


「ありがとう…」


『ちょっと待っててね!としが張り切っていっぱい作ってくれたから持ってくるの大変だったんだ…』


「え…智くん重い物持っちゃダメじゃない!大事な手を怪我したら大変…」


俺のせいで智くんに何かあったら謝るくらいでは許されない…


『玄関まで相葉が持って来てくれたから平気!翔くん心配し過ぎ!』


いやいや…心配するでしょ…


今や全国で個展を開催する智くんだよ…


何かあったらすいませんじゃ済まない…


「相葉さんにも迷惑かけちゃったんだね…としさんと相葉さんに今度お礼しなくちゃ」


智くんはとしさんの料理を皿に盛り分けレンジで温めてくれる


テキパキと俺の為に用意をする智くんの後ろ姿に


俺は幸せを感じた










『はい!お待たせ〜』


テーブルにはたくさんの種類の料理が運ばれてきた


『食べられる分だけ食べてね♪』


笑顔の智くんはまさに天使である


さっきまでの辛い時間が嘘のようだ


「わぁっ…ウマソ〜♪いただきま〜す」


『ねぇ翔くん…治ったら今度遊園地行こう♪怖〜〜いジェットコースター乗ろうよ』


「え…突然どうしたの?」


『何でもお願い聞いてくれるんでしょ!僕ジェットコースター大好きなんだ』


智くんは俺が絶叫マシンとかキライなの知ってるのに…


これは…嘘をついてしまった罰なのであろうか…


『楽しみだなぁ♪』(ΦωΦ)フフフ…


嘘の代償は恐怖かぁ


覚悟決めないとな…


『翔くん!美味しい?』


「う、うん…とっても美味しいよ…」


可愛い天使の奥深くにデビル智が垣間見えた…


『んふふっ…』( *¯ ꒳¯*)










END