カップラーメンはあまり味がしなかった
風邪で味覚異常になっているのか?
それとも智くんと会えなくなった己の失態に情けなくて味覚センサーが機能停止したのか?
まぁそんな事はどうでもいい
薬を飲む為だけにただ腹に食べ物を入れているだけ
味なんてしなくても別に問題ではない
問題なのは智くんにディナーに行けない理由を何と言えばいいのか
風邪ひいたなんて言ったら心配して飛んで来るに違いない
そんな心配はさせたくない
きっと智くんも楽しみにしていたであろうディナー
仕方ないと思わせるような理由を考えないとならない
う〜〜ん…
よく使われるのは近しい人が危篤になったとか怪我をしたとかだが…
後でその後の様子を伝えるのに更に嘘を何度も言うのは気がひける
う〜〜ん…
やっぱり仕事を口実にしようか
急な依頼があってどうしても今日中に片付けなくてはならない仕事ができてしまったがいいかな…
それなら智くんも『お仕事なら仕方ないね…』って言ってくれるはず
ズルズル〜
カップラーメンを食べると覚悟を決めた
とても…とっても心苦しいが早く智くんに連絡して俺は風邪を治すことに専念しよう
そして早く元気になって一緒にディナーに行くんだ!!!
ふぅ〜( ´Д`)=3
ため息を1つついてから大きく深呼吸をした
そして…智くんに電話をする
テゥルル…テゥルル…
『もしもし翔くん?おはよ〜♡♡♡』
智くんの嬉しそうな声が辛い…(;>_<;)
「おはよ…智くん……えっと……今日のディナーなんだけどさぁ……」
智くんは俺の言葉にすぐ察したようで
『ご用事入ったの?…』
さっきの声とは明らかにトーンダウンした言葉が返ってきた
「ごめん…き、急に仕事の依頼が入っちゃって……コホッ……本当に申し訳ない…」
『そうなんだ…お仕事じゃ仕方ないよ…』
「ホントにごめん……やっと都合ついたのにさ…」
本当は俺の体調管理がダメダメだったせいなんだ…
智くんをガッカリさせた俺は机の角に思い切り足の小指をぶつけて骨を折るくらいの痛みを味あわなくちゃいけない程の大バカなんだ
そんなこと言えるはずもなく
ただただ謝るしかないのだか…
あまり謝ると怪しく思われてもマズイので程々にしておく
「また時間出来たら連絡するから…」
『うん!待ってるね!お仕事がんばって!』
あ〜〜罪悪感が俺を押し潰しそうだ…
「ありがとう…じゃあまたね…」
俺は忙しそうだと思わせたくて少しそっけなく電話を切った
はぁ……( ´Д`)=3
自己嫌悪にいっきに落ちていく…ドヨォォー(|||ーωー)ーォォン
駄目だ!!!もうしてしまった事は仕方ない!
俺は気持ちを切り替えて風邪を治すことに専念して早く元気にならなくてはいけない
それには薬を飲んで寝なくちゃ!
俺は薬を口に入れて水で飲み込んだ
コホッ…コホッ…
少し咳も出てきた…
悪化しない為にも寝よう
俺は布団に潜るとさっきのガッカリした智くんの声を思い出した…
切ない気持ちに涙が滲んできた
智くん…
ごめんね…
バカな俺を許して…