「へぇ…そんな人もいるんだね…」
智くんは公園で人間観察を楽しんでいるようだ…
犬を連れたお父さんと子供
ず〜〜っと走ってる青年
そんな人達を眺めながらいろいろ妄想してるらしい
『きっとあの子はTVでオリンピック見て自分も将来オリンピックに出ようって思って走り始めたんだな…とか勝手に考えて見てると面白いよ』
「ふふっ…智くんらしいね」
智くんの日常が知れて嬉しい
普段一人で話し相手が居なくて寂しく感じていないか少し心配だった
こんな状況でも楽しみを見つける智くん
俺の心配は無用だった
「あ!5時になったよ…」
『ホントだ!ラーメン屋開いたかな?』
「俺の腹がラーメンを欲してる〜」(屮゚∀゚)屮
『味噌ラーメンが呼んでる〜』
「チャーシュー麺が早く来いって声が聞こえる〜」
『ふふっ…行こうか!』
「うん!」
2人同時に立ち上がるとラーメン屋へ足を進めた
ラーメン屋に着くとさっきまでは無かったのれんが揺れていた
『あ…腹が鳴った…』
「ふふっ…もうすぐ会えるよ♡」
俺は店の引き戸を開ける…
[いらっしゃいませ]
中に入るとテーブルが2つとカウンターの全部で20席位の小さな店舗だった
俺達は一番奥のカウンターに並んで座った
「味噌ラーメンとチャーシュー麺と炒飯をお願いします!」
[はい!少々お待ち下さい!]
お水が運ばれてきたので俺は半分程一気に飲んだ
『しょお…餃子美味そうだぞ…』
目の前にメニューがあって“当店大人気餃子”と書いてあった
『じゃあ餃子も頼もうか!智くん1人前食べられる?』
「うん!大丈夫!」
『すいません!餃子2人前もお願いします』
今の時間食べたら夕飯はいらないな…
2人でワクワクして待っていると
最初に味噌ラーメンが運ばれてきた
「智くん先に食べてていいよ…」
『じゃあ…お先にいただきます♫』
まずスープをすすると…
『あ…ウマッ…しょお飲んでみ…』
智くんがスープの入ったレンゲを口元に運んでくれた
「あ…いただきます…」
外でアーン的な事されると照れるね( ⸝⸝⸝• •⸝⸝⸝)
味噌スープをすすると濃いめの味噌とニンニクの香りが口いっぱいに広がった
「うん♪ウマイね」
『ふふっ…』(๑´∀`๑)
チャーシュー麺も運ばれてきた
『凄いチャーシュー…』
「サンプルより多いよね…智くんに1つあげる」
肉厚のチャーシューを1つ智くんの味噌ラーメンに入れると
チャーシュー麺のスープをすすった
こちらは醤油味
醤油スープの中に魚介のダシが絡まってサッパリしてるけどコクがある
「醤油スープも美味しいよ…」
俺は智くんにお返しでスープ入りレンゲを口元に運んだ
『ん……あーこれも美味いなぁ』
「ね!美味しいよね♡」
2人でいちゃついていたら
炒飯と餃子が運ばれた
こちらも美味しそうである
俺は目の前の取皿に炒飯を取り分けて智くんに渡す
「結構な量だけど食べられる?」
味噌ラーメンに餃子にミニ炒飯
少食の智くんには少々多い気がするが…
『ん?平気だよ…炒飯ありがと♡』
「うん♡さあて食べるぞ〜」
『ふふっ…2人で外食久しぶりだよな…』
本当に久しぶりである
いつも家で智くんが愛情込めて作ってくれた美味しいご飯食べてたから
全然外食したいなんて思ってなかったけど
やっぱりたまには外食もいいよね
俺達は何度も「ウマイね〜」と連呼しながら美味しいラーメンを堪能した