智くんは手でOKサイン👌をして海の中へ潜って行った


俺はウニをバケツに入れると岸近くにも何かいないか探してみる…


蟹🦀とかいないかなぁ…


目を凝らして探してみるけど何も見当たらず…


仕方なく海の中を覗いてみる…


青く透き通った海中には小魚がキラキラ光りながら泳いでいた…


いつも時間に追われる生活を楽しんでいる俺だけど


時には立ち止まり


自然の中に身を置いてのんびりするのも大事なのかもしれない…


小さな黄色っぽい魚🐠が近くに来て遊んでいるように見えた…


可愛いなぁ…ฅ•ﻌ•ฅ


眺めていたら…


『しょ〜〜お!スゲ〜ぞ!アワビだよアワビ〜!』


智くんの声が聞こえた…


海面から手を上げて大きく振っている智くん…


「え〜〜!アワビ?マジ♡⤴︎⤴︎スゲ〜!スゲ〜よ智くん!」






バケツの中にはアワビとウニ


2つを大事に持って小屋へ戻る…


それにしても…素潜りで採れるなんて凄いでしょ!


『赤貝とかハマグリとか探したんだけど見つからなかった…』


残念そうな智くんだけど…


「何言ってんの!アワビなんて普通採れないでしょ!これだけで十分だよ」


『お前赤貝好きだろ!1個ぐらい見つけたかった…』


俺の為に肩を落とす智くん…


まったく…あなたって本当に優しいよね…


「ねぇ…アワビはどうやって食べるの?」


俺は話題をアワビの話に変える…


『ん〜〜!そのまま踊り焼きにするか?塩で洗って焼くだけだから簡単だし…』


「ウニはそのまま?」


『ウニは口を取って塩水で洗って食べないワタを取ってから食うんだぞ!』


「へぇ〜〜!」(*゚。゚)ホーーッ!!


魚だけじゃなくてアワビやウニの食べ方まで知ってる智くん…


俺は感心するばかりだ…








小屋に戻るとアワビとウニを冷蔵庫に入れる…


『ちょっと疲れたな…』


「少し横になる?」


『うん…シャワー浴びてちょっと寝ようかな…』


小屋の隣にある小さなシャワー室でそれぞれシャワーを浴びてラフな服に着替える…


『せっかくだからテントで寝ようぜ!』


「テ…テントでですか?」


天気は良いけどそれ程暑くはなく、風があるから過ごしやすいけど…


あの小さなテントの中で2人一緒に横になったら…


俺おとなしく寝れるかな…


絶対密着しちゃうよ?


そしたら……ねぇ……


今シャワー浴びたけど…


またすぐシャワー浴びなくちゃならない事になっちゃうよ?


なんて心配をしながら2人でテントの中へ…







芝生の上に少し厚いマットを敷いているので寝心地は悪くない…


テントが日差しを遮ってくれて風通しも良い…


思ったより暑くは無かった…


セミダブル程のマットに2人横になると肩が密着した…


俺は横向きに体制を変えて肘を立てて手を枕にすると


「智くんとの初キャンプ…こんなに早く実現すると思ってなかった…」


サラフワな髪を撫でる…


『本当の自然の中じゃ、こんなに物が揃ってる小屋なんて近くに無いからこれがキャンプって言えるかどうか疑問だけどな…』


「外でテント張って魚釣って貝採って…俺には十分キャンプだけど…」


『豪華なキャンプだな…』(笑)


智くんは目を瞑り息を大きく吸い込んだ…


『自然の香りの中で…こうやって寝転がってると……幸せ感じるな…』


「俺も隣に居るしね…♡」


『ふふっ…♡』


「さとし…」


優しく微笑むその唇に吸い寄せられ合わせようとしたら…


カサカサ……


頭の上の方で音がした…


「え?獣?…」|qд°`)))ブルブル


ゆっくり2人で頭上の方を見たら…


小屋にイタチが…


「あっ…」( ̄b ̄)シー!


思わず声が出そうになり口を抑えた…


『イタチだ…』


イタチは俺達をジッと見つめて動かない…


俺達二人も動けない…


俺達は手を握りイタチの様子を伺う…


イタチも珍客に警戒しているようだったが…


危険じゃないと察知したのか


辺りを少しウロウロして山の方へ行ってしまった…


『イタチ…』


「来てくれたね…♡」


『可愛かったな…』


智くん…以前八丈島に来た後、しばらくイタチイタチって言ってたもんね…


「念願のイタチに会えたね…」


『あ〜ドキドキした!感動だぜ…』


「まだドキドキしてる?」


智くんの胸に耳を付けると…


トクントクン…


あなたの鼓動が俺に響く…


トクントクン…


『ふふっ…何やってんの?イタチ行っちゃったから寝よう…』


智くんは仰向けに寝直すと目を閉じた…


俺は軽くキス( ˘ ³˘)♥すると…


手を握ったまま目を閉じた…