ライブが終わり…
楽屋に戻ると…
もう皆ぐったりして言葉も少ない…
それぞれシャワーを浴びて支度をする…
いつもは真っ直ぐ帰るところだが…
今日は打ち上げがあるので帰宅は遅くなりそうだ…
「智くん…大丈夫?…」
『うん…』
さっきまでたくさんの声援を浴びていた素敵な人は…
誰もが涙する程カッコいいあなたは…
セットされた髪を洗い流し…
キラキラの衣装を脱いで…
ただの俺の恋人になった…
俺は今すぐにでもあなたを抱きしめて労を労いたかった…
「終わったね…」
『うん…』
少しくたびれたデニムのシャツに俺が買ったチノパンにキャップのあなた…
見た目は普通のおじさん…いや、お兄さんだが…
内に秘めた熱い想いと繊細な心は俺が1番理解している…
と思う…
でも…
もしかしたら…
俺にも分からない秘めた想いを持っている人なのかもしれない…
『翔……ちょっと疲れた…』
俺にだけ聞こえるような小さな声でポツリともらし…
柔らかく笑うあなたを…
とても誇らしく愛おしく思う…
「終わったら早く帰ろうね…」
軽く肩を叩いたら…
〈リーダーお疲れ…大丈夫?〉
『うん…平気…ありがとう♡』
《大野さんお疲れ様…大丈夫ですか?》
『うん…大丈夫だよ…』
〔大野さんお疲れ様でした…〕
『うん…お疲れ様…ありがとう♡』
みんなから労いの声をかけられる俺の恋人は…
愛されるリーダーだ…
帰ったら…
俺が誰よりもたっぷり労ってあげるからね…
打ち上げで久しぶりにたくさん飲んで…
智くんは陽気になり…
『翔くん…大好き…』(ˊ˘ˋ*)♡
『翔くん…愛してる…』( ˘ ³˘)♡
と俺の隣で連呼している…
本当に安堵した顔をして…
酒が美味しそうだ…
「今日は好きなだけ飲んでいいよ…ちゃんと連れて帰るから…」
『翔くん…んふふっ…』(*´˘`*)♡
ヘロヘロの智くんをみんなが温かい目で見ていた…
俺は少し恥ずかしかったけど…
誇らしい方が優っていた…
智くん…
お疲れ様…
今日はゆっくり休もうね…