たい焼き作りは順調だった…


生地を入れ、あんこを入れ…


あとはスイッチを入れるだけ…


なのに…


なんてことだ…


コンセントまで遠くてプラグを差すことが出来ない…


こんな時は延長コード!だが…


家にあったっけ?…


リビングの引き出しを覗いたが……無い(TT)


寝室か?


ベッドのまわり…棚…見回したが…無い(TT)


あとは…クローゼット?


一応見てみるが…無い(TT)


え〜〜!無いよ…


部屋にはあちこちにコンセントがあるから…


延長コードなんて無くたって事足りてた…


なんでキッチンカウンターの上に無いんだよ…(TT)





さぁ…どうしよう…


仕方ない…テーブルまで持って行って近くのコンセントを使おう…


たい焼き器を持ち上げて運ぼうとしたら…


『ただいまぁ〜』


智くんが帰ってきた…


ええ〜〜!もう帰ってきたの?


まだ練習のたい焼き作ってないのに…


俺は急いでたい焼き器の箱を上の棚に入れた…


リビングの扉が開いて智くんが顔を覗かせた…


『ただいま…外寒かった…』


「おかえり〜♡」


『ん?お前何してんの?』


智くんは真っ直ぐキッチンに向かって来た…


「えっと…智くんに食べてもらおうと思って…」


『え?何作ったの?…』


「まだ出来てないんだ…スイッチ入れればいいんだけど…」


『だけど?…』


「ここ、コンセント無いからどうしようかと思って…」


『コンセント?…』


智くんはカウンターの上に置いてある炊飯器をスッと持ち上げた…


『ここにあるぞ!』


「あ……」


目の前の炊飯器の奥にコンセント…


なあんだ、ここにあったのか…(。-∀-)


「これね、3分で出来るんだって!智くん着替えてきて!その間に出来ちゃうから!」


『ホットサンド?ワッフル?』


「ふふっ…出来てからのお楽しみ♪」


『え?何だよ!』


「いいから、早く着替えてきて!3分だからね!早く早く!」


俺は智くんの背中を押してキッチンから出すと…


たい焼き器のプラグをコンセントに差す…


いよいよスイッチを入れる時が来た…


美味しく出来ますように…


スイッチオ〜〜〜ン❢☜-⸜( •ᴗ• )⸝♡