
その時
僕たちはつきあっていたのだろうか
その時
僕たちは別れていたのだろうか
遠い記憶だ
1991年6月23日 ニューヨーク 快晴
夏を思わせる太陽
白い光がマンハッタンに降りそそぐ
ピアニストの彼女と会う
あたりさわりのない話をしながら
二人でセントラルパークをゆっくりと歩く
オレンジのゆったりとしたワンピース
彼女が微笑むとまわりの音が消える
SUBWAYで南下して
ブルックリン・ブリッジそばの
サウス・ストリート・シーポートへ行く
男のストリートパフォーマーに手招きされた僕
50人ばかりの観客の輪のなかで
ストリートパフォーマーと僕がジャグラーをする
大きな拍手が起こる 笑顔 笑顔 観客の笑顔
彼女も声を出して笑ってる
楽しかったわね…
彼女の優しく柔らかな声
そして夜
ブロードウェイに戻り映画を観る
ケビン・コスナー「ロビン・フッド」
言葉少なくして別れる
また木曜日に会う予定
その時
僕たちはつきあっていたのだろうか
その時
僕たちは別れていたのだろうか
遠い記憶