
僕は女性と裸で抱きあっていた
女性も裸だった
なぜだかわからなかった
朝だった それは朝だった
僕の髪の毛は濡れていた
なぜ裸なんだろう
服はどこだろう
ここは何処なんだろう
なぜここに来たのか僕はわからなかった
ジンを飲みすぎたせいか
頭の奥がズシンと重たい
僕が身体を動かしたので
女性も目を覚ましたようだ
僕の方に顔をゆっくりと向けてきた
おはよう
彼女が耳元でささやいた
僕がなぜここにいるのかを聞いてみた
ねえ 本当にわからないの
彼女は微笑みながら僕の顔をのぞきこむ
どうしようかな
教えてあげない
僕をからかい始めた
本当に何もおぼえてないの
愛くるしい瞳が僕をのぞきこむ
あのね 夜の12時ごろだったかな
あなたが電話をかけてきたのよ
今から 会いたいから アパートに
行っていいかいって
電話が切れてから30分後
あなたが 部屋のドアの前に立っていた
雨でずぶ濡れになった姿で
雨の滴が床に垂れていたわ
部屋に入るなり
あなたは私に抱きついてきたの
身体が壊れるかと思うぐらい
ねえ 本当に 本当に おぼえてないの
僕は何も思い出すことができなかった
彼女のぬくもりと香りだけが
僕に残っていた