West 55丁目と
ブロードウェイが交わるニューヨークの路上

秋風が僕のほほをなでる

別れた彼女がいた

髪を少し短くして
ピンク色の口紅がかわいらしかった



ね 時間があったら食事しないか 
と僕

ええ 時間があったらね
と彼女


たったそれだけの会話

たったそれだけの会話で僕たちは別れた

もう多分彼女とは会わないだろう
そんな気がした



ニューヨークでこれが彼女との最後の会話


20年もの時を経て東京で
彼女と再会できるとは当時の僕は考えてもいなかった


遠い記憶 温かい記憶