あ しゃぼん玉


僕を振りかえって和美が微笑む

和美は変わらない 

和美の美しさが変わらないんだ



無数のしゃぼん玉が

雲ひとつない青い空へ ふわふわと舞いあがる

光をあび キラキラと輝きながら



芝生の広場 一番奥にある木製のベンチに

僕たちは腰をおろした

東京の空のした ビルがそびえ立っている


リュウ 聞きたい 桃の話のつづき


僕はうなづいた 



和美 

桃の話を聞く前に

君に再会したら謝りたい 

そう思ってたんだ



リュウ 

謝りたいことって何かしら


和美 

僕たち あんな形で別れてしまったから

君を悲しませて 苦しませてしまったから

だから 

だから 

僕は謝りたくて 



ごめん 

ほんとうに 僕が悪かった 

ごめん


僕は

しばらく顔をあげることができなかった

身体がバラバラになった感覚



和美の柔らかな少し温かい手が僕の右の頬にふれた



リュウ 

もういいのよ もういいのよ


リュウは別れたって言葉を使ったけどね

私ね わたし 別れたつもりはなかったよ


リュウのこと ずっと好きだったから




それから和美は桃の話を始めた

和美の美しさが変わらない理由を教えられた




つづく