$言葉をつむぐ☆りゅういち





僕 「 死神って どんな恰好をしているんですか 」


彼 「 黒っぽい薄い霧から現れる 死神ってやつは 」


僕 「 そして ・・・ 」


彼 「 ふつうの人間と姿 形 変わんないね 」


彼 「 ただね 

    指で じっと 一人の人間を指しているんだよね 」


僕 「 じっとですか 」


彼 「 そう じっとね 」


  「 指をさされている人間は ほんとに死んじゃうんだ 

    こいつ 死んじゃうよ って 
  
    指さして教えてくれるんだ」





彼 「 僕が 初めて死神を見た 

    いや 見えたのは

    ある福岡の大名にあるバーで初めて見えたんだ
 

    他のやつは誰も 誰にも見えない

    そう 僕だけが見えていたのさ 

    その時は 死神だって わからなかったけどね 」


  「 死神は ただ だまって バーの入り口の角に 立って

    指さしていたんだ ジャックダニエルのロックを

    飲んでいる30前後の男をね 」



  「 次の日 僕は 同じバーに飲みに行った

    店長が 驚いた顔をして 僕に教えてくれたんだ


    ニュース見ましたか 昨日 あなたの横で飲んでいた人

    うちの常連さんで 山下さんって言う人なんですけど

    深夜2時すぎ 薬院大通りで ひき逃げされて

    亡くなったらしいですよ 名前がニュースのテロップに

    出ていたのを 見たんです

    わからないもんですね 

    昨日 ここで この席で お酒を飲んでいたのに
  
    もう この世にはいないなんて 可哀想に


    そう店長は言うと カウンターの端に座る女性から

    頼まれたカクテルをつくり始めた 」