
わたしたちは氷砂糖をほしいくらいもたない。
でもきれいに透きとおった風を食べ
桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。
またわたくしは、畑や森の中で、
ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしい
びろうどや羅紗や、宝石いりのきものに
かわっているのをたびたび見ました。
わたくしは、
そういうきれいなたべものややきものをすきです。
これらのわたくしのおはなしは、
みんな林や野はらや鉄道線路やらで
虹や月あかりやらからもらってきたのです。
ほんとうに、かしわばやしの青い夕方を
ひとりで通りかかったり、十一月の山の風のなかに、
ふるえながら立っていたりしますと
もうどうしてもこんな気がしてしかたなかったのです。
ほんとうにもう、
どうしてもこんなことがあるようでしかたないということを
わたしはそのとおり書いたまでです。
ですから、これらのなかには、
あなたのためになるところもあるでしょうし、
ただそれっきりのところもあるでしょうが、
わたくしには、そのみわけがよくつきません。
なんのことだかわけのかからないところもあるでしょうが
そんなところは、わたくしにもまた、
わけがわからないのです。
けれども、わたくしは、
これらのちいさなものがたりの幾きれかが、おしまい、
あなたのすきとおったほんとうのたべものになることを、
どんなにねがうかわかりません。
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りゅういちです。
急に寒くなりましたね。
風邪ひかれませんように・・・
ココロとカラダにお気をつけ下さいね。
今日の言葉は大正十三年(1924年)
宮沢賢治・「イーハトーブ童話 注文の多い料理店」序文です。
19年前にボクが大学ノートに書き写していました。
ココロがきれいになりたい時にボクは読みかえします。
