
ニューヨーク 冬
ボクは彼女とボンベイジンのロックを愛した
ボクは夜11時仕事を終えると
彼女を電話で呼び出した。
彼女はいつもジーンズに革ジャン
革ジャンの下には白いシャツ。
どんなに冷え込む寒い日でも
彼女は革ジャンのジッパーを外したまま。
ボクが寒くないのかと聞くと
「わたし、これが好きなの」
と彼女は言った。
ボクたちはいきつけのバーに行った。
イーストリバーよりのファーストアベニューにある
古いアイリッシュバーだった。
煙草の煙と仕事の後のけだるさ
時は明日を告げる。
ボクも彼女も言葉を発することもなく
お互いの思いのなかへと落ちていく。
ときおり君が長いストレートの髪をかきあげて
ボクを見つめる。
深い深いまなざしで。
ボクは彼女とボンベイジンのロックを愛した。
また一気に右手に持ったロックを
カラダに流しこむ。
