
ひとりの僧侶が岩山と対峙している
朝日が昇る前にこの場所に来て
ただひたすら岩山をじっと幻視する
日が暮れると僧侶は去っていく
100日が過ぎる
岩山に仏の姿が浮かびあがる
最初のノミの一刀を僧侶は力強く祈りをこめて振りおろす
19歳の娘の死を悲しんだ心の清らかな長者のために
10年のときが流れる
60体の仏さまが岩山に浮かびあがる
あれから1000年のときが流れる
今この瞬間も救いをもとめる人々が仏さまの前で
手を合わせる 目をとじる そして祈る
仏さまの視線の先に小さな池がある
一輪の蓮の花が青い空に向かって咲いている

※臼杵石仏に想いをよせて※
