2004年のアテネ五輪の柴田亜衣の金メダル。女子800m自由形。

女子で、自由形で、勝てるなんて誰も思ってなかったし、しかも柴田は国内でも無名だった。鹿屋体育大学なんて、自衛隊の駐屯地かと思うくらい遠い存在(ごめん)。

下馬評とは裏腹に、柴田自身は、泳げば間違いなく自己新を出せるという自信とわくわく感で、エントリーの名前を呼ばれると思わずニヤついちゃうほど絶好調だった。

そして、本命のマナドゥが抜け出した中、くらいついて、くらいついて、残り100m、最後のターンで並んで、抜き去るという絵に描いたような展開だった。

この8分半のドラマには、何度も励まされている。感謝。

http://circle.zoome.jp/swim/media/13


試合後のインタビューで柴田が、試合前に恩師の田中孝雄監督がかけてくれたことば。クイズじゃないけどね。「(ほにゃらら)、(ほにゃらら)、諦めず」という言葉が印象的。
この日の歴史的な試合を総括する言葉でもある。事実、その後も柴田は試合を振り返るたびこの言葉を披露している。

さて、ほにゃらら、ほにゃらら、は何だったでしょう。いや、実は私はそこをド忘れしてしまってビデオを見なおしたんだ(笑)。アルツハイマーかね。

正解は「慌てず、焦らず、諦めず」だった。


3つのうち1つでも思い出しにくかったら、きっとそれが足りないところで、私の場合、「慌てず、焦らず」が足りないんだと、いいかげんな仮説を立ててみた。

日常を振り返ってみると、結構当たっていそう。
良くも悪くも諦めないけど、すぐ慌てるし、すぐ焦るし。というわけで、ありがたく頂戴して、座右の銘にすることにした。


このビデオで、解説の人が、「これからが大変だと思いますけどね、ぜひがんばっていってもらいたい」と、金メダルの興奮のさなかに、やけに冷静に言っている。

追う立場から追われる立場になるっていうのは勝利した人の宿命。

その立ち場になったことないけど、マスコミや世間、肉体的な限界やらビジネス的なしがらみ(水着!)とか、いろんなものが襲い掛かってくるなか、北京まで戦いきった姿も忘れられない。