多発性硬化症に罹患したということ 8 | 多発性硬化症のさやさん

多発性硬化症のさやさん

2009年に多発性硬化症を発症したさやさんのひとりごと。

2009年5月7日

私の29歳の誕生日

仕事復帰したその日のお昼休み

実家の兄からのTEL

兄「爺さんあぶないかもしれん。ていうかあぶないからすぐ帰ってこい」

私「Σ(゚Д゚)ナンデスト!?」

慌てて職場に連絡して、とるものもとりあえずベタフェロンの大荷物を忘れずに持って

駅に向かい、バスに乗って直接病院へ

病院に到着するまでかかる時間は3時間

自分で運転すれば2時間半で済んだんだけどそれはできなかった


私が病院に到着した頃にはもう意識はなかった祖父

電話があったときは2度目の心停止のあとだったらしい

到着して1時間ほどで祖父は3度目の心停止

2度目の心停止のあと母と兄はDrから「次止まったらどうしますか?」って尋ねられて

「その時はもういいです。延命はしません」って答えたと。


それから5時間近く祖父はがんばった

みんなが「おまえが帰ってくるのを待っとったんやな」って言った

「おまえをいちばん可愛がっとったからな」とも言われた


死因は腸閉塞による誤嚥性肺炎

亡くなる2日ほど前から吐き下してた

病院には何度も連れて行った

レントゲンも撮った

でも腸閉塞は発見されなかった


ちょうどGWで医者が少なかったせいもあるんだろう


あんなに泣いてる母を見たのは初めてだった

通夜も葬儀も母の友人や親戚、近所の人たちがみんな泣いていた


人当たりがよく、愛された好々爺だったんだと。

大好きだった じぃじ


15年前に脳梗塞を発症して6年前から嚥下障害が出て療養型の病院に入院していた祖母に

「じぃじ死んじゃった」とは言えなかった

祖母の顔を見たら泣いてしまいそうで

母も私も兄も祖母に言えないまま

会いに行けないまま

2009年6月5日に祖母も亡くなった




~余談~

今回多発性硬化症の話をぜんぜんしてないのでちょっと余談を(^_^;)

多発性硬化症の治療薬について

2016年現在 多発性硬化症には根本的な治療薬というものはありません

あるのは「再発を予防する薬」

この2009年当時私が使っているのは

・ベタフェロン(インターフェロン1b) 皮下注射/2日に1回

当時国内で認可されていたのはベタのほかに

・アボネックス(インターフェロン1a) 筋肉注射/週1回

この2種類だけでした


その後、2016年現在認可されているものは

・イムセラ/ジレニア(フィンゴリモド) 飲み薬(カプセル)/毎日1錠
 イムセラとジレニアは同じ薬。発売してる製薬会社が違う(田辺三菱とノバルティス)

・タイサブリ(ナタリズマブ) 点滴/4週間に1回

・コパキソン(グラチラマー酢酸塩) 皮下注射/毎日


ここに挙げた薬はすべて再発寛解型の多発性硬化症(MS)に効果がある薬であって

視神経脊髄炎(NMO)に効果があるものはまだないというのが現状

そのため、NMOの患者さんはステロイド錠を服用されている方が多いようです


それぞれに当然、副作用もあります

私の『勝手な』印象だと投与間隔が長い薬の方が副作用が強い感じがします



なんにせよ選択肢が増えるのはいいことですね。

まだ治験段階の薬もあるようですし、これからも選択肢が増えていくんでしょうね