第九章
彼女にとっての『共徳丸』は
僕にとっての『防災庁舎』。
咲夜未明のニュース
南三陸志津川、防災庁舎が撤去される事実を告げた。
言葉が出なかった。だから、僕は事実だけを事実として呑みこむことにした。少なくとも僕にとっては、勇気と再生のシンボルでした。
私を忘れないで。
君を忘れないよ。
朝に光りは届くのに、この影やシミのような寂しさはなんだろう。。
いてほしい時にいてくれた人やモノがいなくなってしまう。しかも、それが永久に消えるということがはじめからわかっている。消える前から絶望的な喪失感だ。せめて、その時まで頑張ろうと思うのだが、なんか力が抜けてしまった。彼女もそうじゃないかな。だが、最後のお別れは気丈にしてきたようだ。先を越されちまったな。。
気仙沼の共徳丸…
彼女を支え、あげつづけてくれてサンキュー。彼女は、もう一人で大丈夫。心配しないで。彼女が倒れそうな時は、僕が彼女の支えになるから。
さよなら、、共徳丸。
さよなら、、防災庁舎。
僕は、また浮かれた街をただようジプシー。僕が発するのは、狂人のそれだとウワサされるのさ。クサイものには、蓋をされるのさ。黄昏気分でほおづえつくのさ。脳天気にポップに生きるのさ。かしこい僕たちは学ぶのさ。ピエロになって踊るのさ。いつか冷たい雨が降るその時まで。。
ドブ川に真っ赤なバラを落としたようなふきだまり、、
僕ら自身だ。。
ネオンの海に涙を散らしたようなふきだまり、、
35年前の
甲斐よしひろが叫んだ未来に
モノトーンの絵画のなかで
原色のルーリードが見据えた未来に
僕らは生きている。
君は何想う?
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