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→3月7日名字の言
 ジャズ界の巨匠ウェイン・ショーター氏に学ぶ「人生の王者」の振る舞い

 グラミー賞の受賞は10回を超え、そのサックスの音色は多くの聴衆を魅了した。ジャズ界の巨匠にして、SGIのメンバーでもあるウェイン・ショーター氏が、89歳で3月2日、生涯の幕を閉じた

▼東日本大震災が発生した後、氏は被災した方々を思い、メッセージを寄せた。その中で、1996年に妻を飛行機事故で亡くしたことに言及。絶望のどん底にいた時、池田先生から「どうか人間の王者として生き抜いてください」との励ましを受けたことに触れた

▼氏は悲しみを拭い、以前にも増して、演奏・作曲に情熱を注いだ。盟友のハービー・ハンコック氏は、ショーター氏が妻の訃報に涙する友人らを逆に励ましている姿を何度も目にした。「(ショーター氏は)自身の振る舞いを通して、日蓮仏法の信仰者としての真髄を示してくれた」と

▼最愛の人を亡くした中で、自分が励まされる側ではなく、励ます側になる。それは心を鋼のように鍛えた人だからこそできることだ。「人間の王者」の振る舞いであり、その根底には「師弟」がある

▼逝去前、氏は次の言葉をつづった。“使命を果たし続けるために、生まれ変わるべき時が来た”と。音楽で希望を送り続けた氏の人生に学び、使命を果たし抜く人でありたい。(竹)