「僕の中の野口体操2012」~呼吸とか、倒立とか、脱力とか、およそ戦後の日本の身体学の根幹をなしている「野口三千三」氏の考え方。
最近のスポーツ科学で言う、体幹とか腸腰筋とか骨盤底筋とかいう言葉ではどうもその入口のみの示唆に終わりやすいのではないかと思えてきました。

「整体」という身体の歪み癖を直すことによって’病気’にアプローチした「野口晴哉」氏。
お二人とも、戦後のギリギリの精神・肉体状況の中で人間や自分と向き合ってきたある意味の’天才’だったのでしょう。

何か希望や決意の発表をする弟子に、野口晴哉氏は、いきなりお尻に手を突っ込んだ!尻の穴がゆるいのは、その決意がほんものでなく実現の意思が弱いことの現れだと・・

古代の中国の哲人・荘子は、「衆人は喉・胸で呼吸をし、達人は腹で呼吸をする。然して真人は踵(きびす)で呼吸をする」という意味のことを言っています。

野口三千三先生とは、生前、電話でお話をしただけですが、大病を超えられつつあった先生は、「今が一番良い(教え方)だから、来なよ・・」」と言ってくれました。お会いできないまま別れたのは心残りですが、帰納法的なアプローチではどうも歯がゆくなってきました。

初めから、「アキレス腱や足の裏で呼吸をしなさい」とか、「まず尾骨周りの筋肉から反射的に(あるいはジワッと)動かし始めなさい」とか言って鍛えたほうが早いのではないでしょうか?

高齢者の筋萎縮についても、この歳になって、そういう考え方を敷衍したほうが良いと思います(高岡英夫氏の言い方も面白く実用的・・)。

ダンサーや実演家が、型から入って熟年になって、初めて合理的な傷めないあり方を学んだり、より本質的なあり方を学んだりしている。

遅い!!悔やむ!!やっと気づく!!

「ムチ」「ヘビ」「トカゲ」みたいな身体の力の伝わり方は、初めから観念でも良いから学んだほうが良い。

さて、今日の「野口体操2012」~
野口三千三「原初生命体としての人間(自分)」・・グニョグニョした皮袋やアメーバのような自分・・

から、発想を深めて、幼児の心理的発達論を思い出しました。自意識(というより生きているという実感)をどこでもつか?
「肛門期」から「口吻期」と習いましたよね?あれ、思い出して身体学に活用しましょう!!

ちょっと端折りますが、先ほど申し上げた、「尾骨周りの筋肉から(つまり肛門周りの感覚)から鍛えて、思い出して、、目覚めさせて、運動の起点にしましょ!!」と、こういう提案です。

具体的には、尾骨そのものは床に打ち付ければ、脳震盪を起こしたり、脊髄を痛めたりという物ですから、意識して避けているのが普通でしょうか?この「尾骨」にアプローチ!!

体の中心軸の基点として、片手で尾骨下あたりを触り支え、その付近から尻中の筋肉が敏感に動き出すように、指示してあげるのです。

言葉では、なんの得があるか、??になる方もいらっしゃると思いますが、数日お試しあれ。。アスリートや(悩める)優れた表現者ならば、少しずつ、あるいは劇的に、目からウロコが落ちる快さを味わうと思います。

まして、立奏の歌手や管楽器奏者ならば、テキメンかと!?

以上、本日の覚知的提案でした。 1・18~En.GReeN/可知日出男。