シャモニーは夏に3回、早春に2回、訪問した。氷河が削った深い谷に美しい村が点在している。ヨーロッパの最高峰であるモンブランへの登頂を試みて、2012年の夏にその登山口のあるシャモニーに初めて訪れた。結局、技量不足で登ることはできなかったが、それ以来、まるで絵葉書のような景色にすっかり魅了されてしまった。

夏の登山だけでなく、冬は有数のスキーリゾートとして、多くのスキーヤーで賑わう。4月とはいえ、山の上は真冬のような天気である。ゴンドラを降りると、山の上は吹雪いていた。視界は10m程度と思われる。白と黒だけでキャンバスに描かれた世界。ゴウゴウと風が音を立てる。神々しい山々に囲まれ、人間が足を踏み入れるべきではない世界に入り込んだ気持ちになる。

「さあ、行くぞ」スキーを蹴って、麓の村まで一気に降りた。